リニア中央新幹線

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リニア中央新幹線(‐ちゅうおうしんかんせん)とは、東京都から大阪市に至る新幹線基本計画路線である。中央本線関西本線にほぼ沿って東京都大阪市の間を結んだ建設ルートが予定され、東海道新幹線のバイパス路線の意味をも担う路線である。2025年東京都名古屋市の間で先行して営業運転を開始する構想が東海旅客鉄道(JR東海)から発表されている。リニア方式で全線開業すれば東京都と大阪市が約1時間で結ばれ、東海道新幹線と比較して所要時間を大幅に短縮できる。なお、正式な呼称ではないが中央新幹線中央リニア新幹線リニア中央エクスプレスと呼ばれることもあるが、中央新幹線はまた別の新幹線になってしまう。

概要[編集]

経由地は甲府市附近、名古屋市附近、奈良市附近とされており、東海道新幹線のバイパス路線としての性格を強く持つ。また本路線の基本計画が決定されるのとほぼ同時期に国鉄では東京大阪間を1時間で結ぶリニアモーターカー(ジェイアール式マグレブ)の開発に着手している。このため中央新幹線はリニア方式で建設され、リニアモーターカーは中央新幹線で実用化されるものとしてセットで考えられてきた。

日本経済がオイルショック後に低成長に転じたことなどから新幹線の建設は全体に停滞したがバブル期には東海道新幹線の輸送量が急伸し、近い将来に輸送力が逼迫すると考えられたことから中央新幹線が注目された。リニア方式での建設を前提として「中央リニアエクスプレス」「リニア中央新幹線」などと呼ばれ、JR東海による建設促進運動や沿線自治体による誘致運動が展開された。また、沿線各駅は東京や大阪へ1時間以内で到達できることから、首都機能移転議論のきっかけのひとつにもなった。また、東海道山陽新幹線兵庫県南部地震の被害で長期間不通になった経験から、東海地震の予想被災地域を通過する東海道新幹線の代替路線が必要であること、東海道新幹線自体の老朽化により長期運休を伴う改築工事の必要が生じる可能性があることも建設の理由として挙げられた。

リニア方式での建設[編集]

1990年には中央新幹線の通過予定地である山梨県都留市付近に山梨リニア実験線を建設する工事に着手した。過去の新幹線では先行して建設した実験線が実用路線の一部になってきたことから、事実上の中央新幹線着工と期待された。当初は総延長42.8kmの複線路線が計画されたが、予算節減のため先行区間として18.4kmのみを建設し、1997年より実験を開始した。

運輸省(当時)超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会は2000年、「長期耐久性、経済性の一部に引き続き検討する課題はあるものの、超高速大量輸送システムとして実用化に向けた技術上のめどは立ったものと考えられる」と評価した。2005年には「実用化の基盤技術が確立したと判断できる」と総合技術評価した。2006年には「2016年度までに他の交通機関に対して一定の競争力を有する超高速大量輸送システムとして実用化の技術を確立することを目指す」と表明した。

実現に向けた動き[編集]

リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会[編集]

1979年東京都神奈川県山梨県長野県岐阜県愛知県三重県奈良県大阪府の9都府県により「リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会」が発足し、1988年に現在の名称に変更した。早期実現に向けて広報啓発・調査・要望活動などを積極的に行い、年に1回「リニア中央エクスプレス建設促進県期成同盟会促進大会」を開催している。現在、事務局は愛知県地域振興部交通対策課にあり、愛知県知事の神田真秋が会長を務めている。

また東京都と大阪府を除く7県には、それぞれの県知事が会長を務める「リニア中央エクスプレス建設促進○○県期成同盟会(○○には県名が入る、長野県は建設促進長野県協議会)」が設立されている。

国会議員連盟[編集]

議員連盟には超党派議連による「リニア中央エクスプレス建設促進国会議員連盟」(1988年設立)と自民党議連による「リニア中央エクスプレス建設促進議員連盟」(1978年設立)の2つが存在する。前者は堀内光雄、後者は中山太郎が会長を務めている。

JR東海[編集]

1990年2月、運輸大臣(当時)はJR東海および日本鉄道建設公団に対し、中央新幹線の整備計画決定に向けて地形や地質などの調査を全線にわたり行うよう指示した。JR東海は中央新幹線を「中央リニアエクスプレス」と称して、東海道新幹線主要駅にリニア車両の実物大模型を展示するなど建設へ向けたキャンペーンを展開した。

その後、東海道新幹線は品川駅新設などの輸送力増強策に加えバブル崩壊後の輸送量頭打ちにより輸送需給が逼迫する可能性が遠のいたため、中央新幹線建設の動きも一旦は低調になった。しかし景気の回復により再び2003年から輸送量が増加に転じたことから、JR東海はふたたび中央新幹線のリニア方式での建設に乗り出した。

2005年に開催された「愛・地球博」では、JR東海は「超伝導リニア館」を出展した。会場にはMLX01-1の実物が展示され、来場者が実際に中に入ることもできた。

2006年9月25日、JR東海は独自資金3,550億円を投入して山梨リニア実験線の未建設区間を建設し当初計画通りの42.8kmに延伸することを発表した。同時にこれまでの実験にもとづいて開発された経済性や耐久性を高めた機器を導入し全面的に設備を更新するほか、実用時に近い長編成の車両や大深度地下を想定し長編成にも対応した駅設備も導入する。本計画は2007年には国土交通省に認可され、同年内の着工が決まった。

続いて2007年4月26日に東海道新幹線の輸送量が過去最高となった2006年度の決算短信が発表され、首都圏~中京圏~近畿圏を結ぶ東海道新幹線の発展的・代替的バイパスを自らのイニシアティブのもとに推進・実現するための第一局面として、2025年に首都圏中京圏でリニアモーターカーを使った中央新幹線の営業運転開始を目指す方針が明記された。今後、具体的な工事計画、ルート、建設費用の負担などの検討を開始するという。

2007年10月16日にJR東海は東京−名古屋間の用地買収を含む建設費を4兆−6兆円と試算していることを明らかにした。1km当たりの建設費は平均すると150億−200億円と試算しており、これは東京−名古屋間を最短距離である280kmで結ぶことを前提としている。なお、自力での建設は可能と考えられる。

中央リニア新幹線基本スキーム検討会議[編集]

2004年、国土交通省鉄道局長の私的諮問機関「中央リニア新幹線基本スキーム検討会議」は2000年のデータに基づいた試算結果を公表した。

工事前提条件 東京-大阪間[編集]

  • 工期は7から10年。
  • 全ルート約500km、そのうちトンネルは約60%、東京圏名古屋圏大阪圏の約100km区間は大深度地下を使用。
  • 沿線9都府県(東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、三重、奈良、大阪)にそれぞれ1駅ずつ、計9駅を設置。
  • 1km当りの建設コストは約170億から180億円。
  • 全体の建設コストは約7兆7000億から9兆2000億円。
  • リニア車両1両約8億円。
  • 1時間当たり10往復運転。必要車両約800から900両。
  • 全体の車両コストは約6000億から7000億円。

旅客輸送前提条件 2020年開業[編集]

  • 経済成長率が0%、1%、2%の3パターンを想定。
  • 運賃水準15,000円から17,000円と想定(2004年発表時、東京から新大阪間「のぞみ通常期14,720円。
  • 需要予測値
    • リニア新幹線 254億から345億人キロ
    • 東海道新幹線 203億から238億人キロ(2000年実績397億人キロ、2006年度実績445億人キロ)
    • リニア+東海道新幹線 457億から583億人キロ
    • 全体需要は、2000年との比較で1.24から1.44倍
    • リニア中央新幹線を建設しなかった場合、東海道新幹線のみの需要予測は390億から433億人キロ。

建設に向けての課題[編集]

建設資金の問題[編集]

「リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会」の試算によると、経済効果は最大21兆円になるとされる。しかしながら総投資額約8.3~9.9兆円といわれる資金調達のめどはついておらず、今後の課題となっている。また建設費を圧縮するため、山梨リニア実験線では延伸工事に合わせ、より経済的な設計の軌道や駅設備等を設置し実証する予定である。

JR東海は2025年に開業を目指している首都圏~中京圏間の総事業費を約5兆円と試算している[1]。この額に関して同社は首都圏~中京圏だけなら全線(東京~大阪)に比べ建設費が少なく、技術革新で車両製造費を大きく削減できるとみている。

北陸新幹線との関係[編集]

東海道新幹線の代替路線としては建設が先行している北陸新幹線で十分という意見もある。北陸新幹線は東京~大阪間全長700kmのうち3分の2(約460km)が開業もしくは着工済みであり、残りは3分の1(約240km)の未着工区間のみである。なお、敦賀~大阪間のルートは未決定である。

一方、中央新幹線が建設されれば東海道新幹線に余裕ができることから北陸新幹線の建設を米原までとして建設費を圧縮し、米原~大阪間は東海道新幹線に乗り入れる案も存在している。

運営会社の問題[編集]

並行在来線を考えた場合、東京側は東日本旅客鉄道(JR東日本)、大阪側は西日本旅客鉄道(JR西日本)である。国鉄民営化後に建設された新幹線の運営は並行在来線の帰属に準じて決定されているため、この原則に従えば中央新幹線は東京側からJR東日本、JR東海、JR西日本の3社が分け合うことになる。また、中央東線や関西本線の旅客が中央新幹線にシフトすることが予想されるため、JR東日本、JR西日本の両社は中央新幹線の経営に参加することを希望している。

しかし、中央新幹線の旅客は東海道新幹線同様に三大都市圏間の長距離客が大半を占めることが予想される。また東海道新幹線からも相当量の旅客がシフトすると考えられるが、JR東海は営業収入の約9割を東海道新幹線から得ているため中央新幹線の帰属は死活問題であり、自社による東海道新幹線との一元的な経営を主張している。JR東海は山梨リニア実験線の建設費を一部負担した際にこれを確約したとしており、さらに全額自己資金で延伸工事に着手し「自社単独でのリニア新幹線建設」に向けた布石を敷いている。

鉄軌道方式との比較[編集]

鉄軌道方式で建設される可能性も皆無ではない。JR東海は鉄軌道での高速試験車両として955形新幹線高速試験電車を開発、1995年から7年間に渡り走行試験を実施した。

また、JR東日本が現在開発中の新幹線E954形電車は将来の営業最高速度360km/hを目指している。仮に中央新幹線をこの速度で運行できたとすると、所要時間1時間10~20分を目標としているリニアには及ばないものの現在の東海道新幹線の2時間半から1時間40分程度へと大幅に短縮することができ、山陽新幹線への直通も可能になる。

歴史[編集]

  • 1973年11月 - 全国新幹線鉄道整備法に基づく建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画に決定
  • 1974年4月 - 運輸大臣(当時)が国鉄に甲府市付近~名古屋市付近間における山岳トンネル部の地形・地質調査等をするように指示
  • 1987年12月 - 運輸大臣(当時)が日本鉄道建設公団に甲府市付近~名古屋市付近間における山岳トンネル部の地形・地質調査等をするように指示
  • 1990年
    • 2月 - 運輸大臣(当時)が日本鉄道建設公団とJR東海に全区間の地形・地質等調査をするように指示
    • 11月 - 山梨リニア実験線の建設に着手
  • 1997年 - 山梨リニア実験線の先行区間18.4kmが完成し、走行試験を開始
  • 2013年 - 山梨リニア実験線の延伸工事が完成し、実験線42.8kmが全線開通する予定
  • 2025年 - この年までに首都圏~中京圏間で営業運転を開始する目標

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

日本の新幹線
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