イラストレーター

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イラストレーター(Illustrator)とはイラストを描くことを生業としている人のこと。

概要[編集]

イラストレーターとは、あるコミュニケーションを目的とした絵を描くグラフィックアーティストを指す。イラストは複雑な概念をより一層明確に伝える目的もあり、文章表現が難しい対象を解説するために用いられ、児童文学の挿絵や絵本等にあってはイラストそのものを娯楽目的として描かれることもある。専業のイラストレーターも多いが、雑誌小説のイラストでは漫画家アニメーターが兼業していることも多い。

画家との明確な違いはないが、画家は作品単体を販売するのに対し、イラストレーターは作品単体だけでなく、自身の作品にそれ以外の要素が加わって販売される。例えば、書籍の表紙のために新しく絵を描き下ろす者は、たいていイラストレーターと呼ばれる。また、イラストレーターは商業的であると考えられており、画家はイラストレーターと呼ばれるのを嫌がる傾向がある。

イラストレーターの中でも画家に近い専門的な修練を積んだ者は、アニメーター漫画家とは異なると考えられている。その違いは、「イラストレーターの絵には物語性が弱いが、漫画は物語性が強い」とも表現される。イラストレーターには独自性やグラフィックデザイナーとしてのセンスも同時に求められる。また、その人物の背景も影響し明確な線引きは難しい。たとえば、天野喜孝は、絵画やデザインに親しむ者からはアニメーターと称され、漫画やアニメーションに親しむ者からはイラストレーターと称されたりする。

アマチュアでは、はがき投稿の際にイラストを描く人をイラスターと呼び、プロアマを差別化する呼び名があった。

区分[編集]

画家とイラストレーターはいずれも創作活動を行なう作家の1ジャンルに区分されるが、画家が自らの創作意欲に基づいて独自の色合いや筆使いで絵画を描き、絵画を販売する職業であるのに対して、イラストレーターは目的となる事物を指定されて図絵を描き始める点が異なり、イラストの独自性は元より、対象事物への理解力や専門知識が求められる。このため、知識の多寡や独自性により得手不得手が生じ、工業デザインを専門にするイラストレーターやキャラクターデザインを得意とするイラストレーター、あるいはコンピューターグラフィックを用いるイラストレーター等のように複数の分類に細分化される。

一般的にイラストレーターの描くイラストの内容は漫画家・キャラクターデザイナー・絵本作家・挿絵作家・工業デザイナー等の明確な区分はない、若しくは同一のものとする向きもあるが、例えば漫画にあっては原作が漫画家独自のものであれば前述の創作意欲や独自性から画家の扱いとして漫画家になり、発案したキャラクターを用いた商品広告等の場合にはイラストレーターの扱いになって対価も異なる。同様に絵本にあってはストーリーや図絵を一人で行なう場合はイラストレーターとは呼ばず絵本作家となり、挿絵作家と異なる位置づけになる。

著作権[編集]

イラストレーターと依頼主の間で取り交わされる契約の内訳にも左右されるが、一般的にはイラストレーターの描く図絵の著作権はイラストレーターにあり、使用範囲を限定した使用権を依頼主に与えることが多い。その一方でイラストレーターの描いたイラストやキャラクターを盗作から守るために公表済みのものにあっては『著作権登録』、未発表物に対しては『存在事実証明』により著作権の保護管理下に置くことが可能であり、日本では文化庁が管轄している。


関連項目[編集]

イラストレーターのリスト[編集]

外部リンク[編集]

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