火星

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火星(かせい、Mars)は、太陽系太陽に近い方から4番目の惑星である。地球型惑星に分類され、地球の外側の軌道を公転している。

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火星の衛星

詳細は 火星の衛星 を参照

火星にはフォボスダイモスの2つの衛星が存在する。ともに1877年にアサフ・ホールによって発見され、ギリシア神話で軍神アレスの戦いに同行した息子のフォボス(「狼狽」の意)、ダイモス(「恐怖」の意)から名付けられた。アレスはローマ神話では戦争の神マルスとして知られている。

火星探査

ファイル:Mars Viking 11h016.png
ヴァイキング1号の着陸地点
詳細は 火星探査 を参照

火星の地表や気候、地形を研究するために、ソ連、アメリカ、ヨーロッパ、日本によって今までに軌道探査機、着陸機、ローバーなどの多くの探査機が火星に送り込まれた。火星を目指した探査機のうち、約 2/3 がミッション完了前に、またはミッション開始直後に何らかの失敗を起こしている。この高い失敗率の一部は技術上の問題によるものと考えられるが、特に考えられる原因がないまま失敗したり交信が途絶えたりしたものも多く、研究者の中には冗談半分に地球-火星間の「バミューダトライアングル」と呼んだり、火星探査機を食べて暮らしている宇宙悪霊がいると言ったり、火星の呪いと言う人もいる。

最も成功したミッションとしては、ソ連の火星探査機計画やアメリカのマリナー計画バイキング計画マーズ・グローバル・サーベイヤーマーズ・パスファインダー2001マーズ・オデッセイなどがある。グローバル・サーベイヤーは峡谷や土石流の写真を撮影し、帯水層と同様の液体の水が流れる水源が火星の地表または地表近くに存在する可能性を示唆した。2001マーズ・オデッセイは、火星の南緯60度以南の南極地方の地下約3m以内の表土には大量の水の氷が堆積していることを明らかにした。

2003年、欧州宇宙機関(ESA)はマーズ・エクスプレス・オービタと着陸機ビーグル2からなるマーズ・エクスプレス探査機を打ち上げた。マーズ・エクスプレス・オービタは火星の南極に水と二酸化炭素の氷が存在することを確認した。NASA はそれ以前に北極について、同様の氷が存在することを確認していた。ビーグル2との交信には失敗し、2004年2月初旬にビーグル2が失われたことが宣言された。

ファイル:Marsorizon232.JPG
スピリットによって撮影されたコロンビア・ヒルズのパノラマ画像。アメリカにあるカホキア墳丘という先住民遺跡にちなんで Cahokia panorama と呼ばれている

同じ2003年に NASA はスピリット (MER-A)、オポチュニティ (MER-B) と命名された2機のマーズ・エクスプロレーション・ローバーを打ち上げた。2機とも2004年1月に無事に着陸し、全ての探査目標を調査した。当初計画されたミッションは90日間だったが、ミッションは数回延長され、いくつかの機械的トラブルは起きたものの、2007年現在もなお科学的成果を地球に送り続けている。最大の科学的成果は、両方の着陸地点で過去のある時期に液体の水が存在した証拠を発見したことである。また、火星の地上で撮影された旋風 (dust devil) が火星の地表を動いていく様子がスピリットによって検出された。この旋風はマーズ・パスファインダーで初めて撮影されていた。

ファイル:Marsdustdevil2.gif
スピリットによって撮影された火星の旋風

有人火星探査

ヴェルナー・フォン・ブラウンをはじめ、多くの人々が有人月探査の次のステップは、有人火星探査であると考えてきた。有人探査の賛同者は、人間は無人探査機よりも幾分優れており、有人探査を進めるべきだと主張している。

アメリカ合衆国ブッシュ大統領(父)1989年に月および火星の有人探査構想を明らかにしたが、多額の予算を必要とするために断念された。また、ブッシュ大統領(息子)2004年1月14日に「宇宙探査の将来」(en:Vision for Space Exploration) と題した新たな計画を発表した。これによると、アメリカは2015年までにもう一度月に有人探査機を送り、その後有人での火星探査の可能性を探ることとなっている。技術的・経済的な問題上、実際に火星探査が実現するかどうかは不透明な部分が多いが、2006年現在、既に個々の問題についての研究・開発が動き出している。また、ロシアも将来的に有人火星探査を行うことを予定しており、技術的・経済的に判断して2025年までには実現可能であるとしている。更にESAも、2030年までに人間を火星に送る「オーロラ・プログラム」と呼ばれる長期計画を持っている。

特にネックとなるのは、火星への往復と滞在期間の合計で1年強から3年弱という、月探査とは比較にならない長期間のミッションであることと、運ばなければならない物資の量である。このため、火星の大気から帰還用燃料を製造する無人工場を先行して送り込むプランなども提案されている。

火星探査批判

火星探査は近年根強く実施されているが、前述のように探査計画の約2/3が失敗に終わる上に、莫大な予算がかかるとして批判する声も大きい。「火星に水がかつてあった。それがどうした。我々の生活に関係あるのか? 予算を地球のために使うべきだ」というようなものである。実際には(アメリカ合衆国を例に取れば)国防費の1/20以下のNASAの予算の、更にごく一部が火星探査に割り当てられているに過ぎないのだが、こうした声を無視することも出来ず、探査計画の低コスト化が進められている。

火星の観測

16世紀デンマークの天文学者ティコ・ブラーエは、地球を中心に太陽(火星など惑星は太陽の周りを廻る)が廻る変則的な天動説をとっていたが、肉眼によるものでは最も精密に火星の軌道を観測した。ティコ(慣習として姓でなく名を通称とする)の助手であったヨハネス・ケプラーは師の死後、観測データを解析することで惑星の軌道が円ではなく楕円であること、さらに火星の軌道から他の惑星の軌道も楕円でありケプラーの法則に従うという地動説を主張した。公転速度が早く観測しやすい火星の軌道離心率が冥王星や水星に次いで大きい0.0934であったことも幸運であった。

1877年の火星大接近とスキアパレッリの発表に始まった火星運河説に重大な疑問を投げかけたのが、エッジワース・カイパーベルトの提唱者の一人であるカイパーである。1947年、火星を赤外線帯で観測し、大気の成分が二酸化炭素であると主張した。地球大気の重要な成分である窒素、酸素、水蒸気の痕跡は見当たらず、文明を持つ火星人の存在はほぼ否定された。

ファイル:Mars Twin Peaks (1024px).jpg
マーズパスファインダーによって撮影されたアレスの谷付近

地球は780日(2年と7週間と1日)ごとに火星を追い越し、そのときの距離は約8000万kmまで接近する。しかし、火星軌道が楕円であるために最接近時の距離は変化する。火星の近日点付近で接近すれば接近距離は5600万km程度となるが、遠日点付近で接近すれば1億km程度と2倍近く距離が異なる。肉眼で観測していると、火星は通常、他の星とはっきり異なる黄色あるいはオレンジ色や赤っぽい色に見え、軌道を公転するにつれて地球から見る他のどの惑星よりも大きく明るさが変化する。これは、火星が地球から最も離れる時には最も近づいた時の7倍以上も距離が離れるためである。なお、太陽と同じ方向にある前後の数ヶ月間は太陽の光で見えなくなることもある。最も観測に適した時期は32年ごとに2回、15年と17年をおいて交互にやってきて「大接近」と呼ばれる。この時期は常に7月終わりから9月終わりの間になる。この時期に火星を望遠鏡で見ると表面の様々な様子を詳細に見ることができる。低倍率でも見える特に目立つ特徴は極冠である。

2003年8月27日9時51分13秒(世界時)に火星は過去60,000年で最も近く、55,758,006 kmまで地球に接近した(惑星光行差補正なしでの値)。この大接近は火星の近日点通過の3日後が火星のの翌日と重なったために生じたもので、地球から火星を特に見やすくなった。これ以前に最も近く接近したのは紀元前57617年9月12日と計算されている[1]。太陽系の重力計算の詳細な解析から、2287年には2003年よりも近い接近が起こると計算されている。しかし正確に見ていくと、この記録的な大接近は284年ごとに4回起きている別の大接近よりもごくわずかに近いだけであることが分かる。例えば、2003年8月27日の最接近距離が 0.37271AU であるのに対して1924年8月22日の最接近距離は 0.37284AU であり、2208年8月24日の接近は 0.37278AU である。

2084年11月10日には火星から見て地球の日面通過が起こる。この時には太陽と地球、火星が一直線上に並ぶ。同様に火星から見た水星金星の日面通過も起こる。火星の衛星であるダイモスは火星から見た角直径が十分に小さいため、ダイモスによる部分日食も日面通過と見なせる。

1590年10月13日には過去唯一の金星による火星食が起こり[2]、ドイツのハイデルベルクメストリンによって観測された。

ファイル:MarsSunset.jpg
2005年5月19日にスピリットがグセフ・クレーターで撮影した火星の日没(青い夕焼け)

火星の隕石

地球上で発見されたもののうち、確実に隕石であり、かつ火星に起源を持つと思われる岩石がいくつか知られている。これらの隕石のうち2つからは古代の細菌の活動の痕跡かもしれない特徴が見つかっている。1996年8月6日、NASAは火星起源と考えられている「ALH 84001」隕石の分析から、単細胞生命体の化石の可能性がある特徴が発見されたと発表した。しかしこの解釈にはいまだに議論の余地がある。

『Solar System Research』2004年3月号 (38, p.97) に掲載された論文では、イエメンで発見されたカイドゥン隕石が火星の衛星フォボスに起源を持つ可能性があると示唆している。

2004年4月14日にNASAは、オポチュニティによって調査された "Bounce" という名前の岩石が、1979年南極で発見された隕石「EETA79001-B」と似た組成を持っていることを明らかにした[3]。この岩石はこの隕石と同じクレーターから飛散したか、あるいは火星表面の同じ地域にある別々のクレーターから飛ばされた可能性がある。

氷の湖

2005年7月29日BBCは火星の北極地方のクレーターで氷の湖が発見されたと報じた[4]。ESAのマーズ・エクスプレス探査機に搭載された高解像度ステレオカメラで撮影されたこのクレーターの画像には、北緯70.5°、東経103°に位置し火星北極域の大半を占めるボレアリス平野にある無名のクレーターの底に平らな氷が広がっている様子がはっきりと写っている。このクレーターは直径35kmで深さ約2kmである。

BBCの報道ではやや誇張されているが、元々のESAの発表ではこれが湖であるとは主張していない[5]。火星の数多くの他の場所に見られるものと同様に、この円板状の氷は暗く低温の砂丘の頂上(高度約200m)に薄い層状の霜が凝結してクレーターの底に広がったものである。報じられたこの氷が特に珍しいのは、霜のいくらかが一年中残りうるほどこの場所が高緯度にあるという点だけである。火星の大気は希薄、すなわち飽和蒸気圧が小さいため、火星表面のほとんどの地域では、水が液体の状態ではすぐ蒸発してしまうので存在できない。液体の水が存在できるのはヘラス盆地など限られた場所のみである。

火星の生命

火星はかつては現在よりも確実に生命に適した環境だったという証拠が存在するが、火星にかつて実際に生命体が生存していたかどうかという疑問は未解決である。火星起源であると考えられている岩石 ― 特に「ALH84001」隕石 ― に過去の生命活動の証拠が含まれていると考えている研究者もいるが、この主張に対しては現状では合意は得られていない。この隕石は数十億年前に生まれて以来、液体の水が存在できるような温度に一定期間さらされたことはないことを示す研究もある。

バイキング探査機にはそれぞれの着陸地点で火星の土壌に含まれる微生物を検出するための実験装置が搭載され、陽性の結果をいくつか得たが、後に多くの科学者によって否定された。この件については現在も議論が続いている。また、火星の大気にメタンがごく微量存在している原因について、現在生命活動が進行しているという説が一つの解釈として提案されているが、生命活動に由来しない別の説の方がよりもっともらしいと一般に考えられている。

将来植民地化が行なわれるとすれば、火星は(他の惑星と比較して)かなり生命の生存に適した条件にあるため、有力な選択肢となると思われる。

人類と火星

歴史と神話

火星の名称 (Mars) は、ローマ神話の神マルス(ギリシア神話の軍神アレス)から名付けられた。メソポタミアの民は赤い惑星に戦火と血を連想して彼らの戦神ネルガルの名を冠して以来、火星には各々の地でその地の戦神の名がつけられている(他の惑星名についてもほぼ同様の継承が認められる)。

東洋

火星は五行説に基づくオカルト的な呼び名であって、学問上(天文史料)では熒惑(ケイコク、エイコク)といった。「」はしばしば同音の「螢」と誤られる。また、この場合の「惑」は「ワク」ではなく「コク」と読む。営惑とも書く。江戸時代には「なつひぼし」と訓じられた。そのため夏日星という和名もある。

火星がさそり座アンタレス黄道の近くに位置しているため)に接近することを熒惑守心熒惑を守る)といい、不吉の前兆とされた。「心」とは、アンタレスが所属する星官(中国の星座心宿のこと。

惑星記号

火星の惑星記号はマルスを象徴する盾と槍を図案化したものが、占星術天文学を通して用いられる。これを雌雄の表記に転用したのはカール・フォン・リンネであり、生殖器の図案ではない。

火星を扱った作品

小説

映画

テレビドラマ

漫画

音楽

アニメ

ゲーム

ラジオドラマ

脚注

  1. Raodate (2003年8月22日) RaodateJoe NightSky Friday - Mars and Earth: The Top 10 Close Passes Since 3000 B.C. Space.com 2003年8月22日 [ arch. ] 2008年5月24日
  2. () The Conjunction and ConjunctionEvents Functions Wolfram Research [ arch. ] 2008年5月24日
  3. (2004年4月14日) 'Bounce' and Martian Meteorite of the Same Mold NASA 2004年4月14日 [ arch. ] 2008年5月24日
  4. (2005年7月29日) Ice lake found on the Red Planet BBC 2005年7月29日 [ arch. ] 2008年5月24日
  5. (2005年7月28日) Water ice in crater at Martian north pole ESA 2005年7月28日 [ arch. ] 2008年5月24日

関連項目

Wiktionary
ウィクショナリー火星の項目があります。


参考文献

外部リンク

火星の水

火星探査

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