公認会計士

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公認会計士(こうにんかいけいし)とは、監査および会計の専門家である。独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、経済の健全な発展に寄与することを使命としている。その業務としては、会計監査、財務経理など多岐にわたる。そのうち、企業の財務諸表に関する適正性を証明する会計監査業務は公認会計士のみに付与された独占的業務であるが、財務、経理等の会計業務は自由業務とされ誰でも行うことができる。また最近では会計に関する助言、立案および経営戦略の提案などのコンサルティング業務が公認会計士の業務として重要になってきている。

日本の制度については公認会計士 (日本)を参照。

就職難で公認会計士受験者が激減。金融庁の誤算…人材の質低下を懸念(2013年8月)

会計士試験の受験者が減っている。

平成18年度から試験制度が改革され、合格者が大幅に増加したものの、その“受け皿”となる就職先が見つからなかったためだ。平成25年度の受験者はピークだった平成22年度の6割程度まで減少。現在、試験合格者の「就職浪人」は少なくなったとはいえ、受験を躊躇する人は多く、関係者は合格者の質の低下を招きかねないと気をもんでいる。

ピークの6割に

会計士試験は1次試験にあたる短答式と2次試験に相当する論文からなる。2次が不合格でも1次の合格は2年間有効。2次合格者は「会計士補」となり、2年間の実務経験を経て、晴れて会計士となる。監査法人や会計事務所だけでなく、一般企業に就職して財務関係の仕事に従事しても「実務経験」として認められる。

金融庁によると、25年度の短答式試験の受験者(申込者)は第1回(24年12月)と第2回(25年5月)合わせて1万9461人だったが、1回、2回の重複受験を除いて実際に試験に出席した人数は9222人にとどまった。ピークの22年度は3万5243人だったが、近年は右肩下がり。25年度の受験者は22年度の6割を割り込んだ。ある会計士は「いま受験を躊躇する人は多い」と話す。

受験者の減少は合格者の質の低下につながる恐れがある。21年度以降、合格者も減少しており、受験者が少ないからといって合格ラインが著しく下がることはないが、「優秀な人材が集まらなくなるのが心配」(会計事務所代表社員)といった声も上がる。

発端は金融庁の“失政”

会計士業界で「2009年(平成21年)問題」と呼ばれた試験合格者の就職難。監査法人だけでなく一般企業で働く会計士を増やすため、金融庁が18年度から合格者を増やし始めたのが発端だった。

20年度までは、上場企業を対象にガバナンス(企業統治)体制をチェックする内部統制制度への対応で監査法人が会計士の採用を増やしたため、就職は合格者側の「売り手市場」だった。

日本公認会計士協会によると、会員(会計士と会計士補、試験合格者)の数は、12年に約1万6000人だったが、22年に約2万7000人、24年末時点で約3万2000人と順調に増えた。

しかし、内部統制への対応が一巡した21年から状況は一変。20年秋のリーマン・ショックが会計士の需要減少に拍車をかけ、大手監査法人は採用数を前年から3~5割も減らした。不景気で企業の新規上場が激減したうえ、企業の業績悪化により監査報酬の値下がり圧力が強まったためだ。

もう一つの誤算は、一般企業が試験合格者を採用するケースが増えなかったこと。「企業は合格間もない人よりも、監査法人や会計事務所で実務経験を積んだ会計士を求めていた」(大手食品メーカーの経理担当者)ためで、典型的な“ミスマッチ”が発生した。20年の合格者のうち、一般企業に就職したのは、わずか2~3%だった。

金融庁は当初、会計士の数を30年までに5万人程度まで増やす構想を掲げていたが、断念した。

「組織内会計士」少しずつ増加

日本公認会計士協会は21年から一般企業を対象に、積極的な採用を呼びかける説明会を全国で開催してきた。企業側にも、会計の専門家が社内にいることで、自社の情報開示に対する信頼性が高まるという認識が少しずつ浸透している。

その甲斐あって、監査法人や会計事務所、税理士法人以外の企業で働く「組織内会計士」は徐々に増えている。協会によると、組織内会計士らで構成するネットワークの会員登録者は今年4月時点で約1100人となり、昨年12月の2倍以上に膨らんだ。

また、会計士が活躍する新たな分野として期待されるのが地方公共団体に対する保証業務だ。国会では、全国共通の公会計制度を導入するために必要な地方自治法の改正論議が停滞している。しかし会計士協会は法改正を待たずに、地方自治体や公営企業、外郭団体などの会計情報を第三者として保証する業務に会計士が携わる事例を増やしていく方針だ。

ただ、近年は上場企業による粉飾決算や不適切会計処理が次々と明るみに出て、公認会計士に対する信頼が揺らいできた。三洋電機やカネボウ、オリンパスなどだ。さらに監査を担当した公認会計士に対し、金融庁が業務停止命令を出すなど、「重すぎる会計士の責任」を敬遠する学生も。

それでも、「アベノミクス」効果で株式市場を中心に「お金」の動きは活発になっている。企業の決算などをチェックする公認会計士の役割はますます重くなっており、優秀な人材が求められている。

弁護士と似たような状況下

公認会計士も「規制緩和」や「事前規制社会からチェック社会へ」といった新自由主義的な掛け声に乗って、資格取得者はこの10年で約2倍に増えた。ところが、肝心の仕事は政府の思惑どおりには増えなかった。

そのため、短答式試験と論文式試験に合格したのに、監査法人に就職できず、実務経験が積めないために資格を取得できない「待機合格者」があふれ、その数は2010年で53.2%、2011年は46.1%にも達している。

監査法人は、新卒の採用を抑える一方、2010~12年にかけては内部のリストラも敢行。特に、J-SOX法(日本版企業改革法)の施行による内部統制監査がらみの仕事の大量発注を見込んで採用した「2006年~08年入社組」の若手は「会計バブルの申し子」と言われ、リストラ対象に狙い撃ち。多くの若手が給料の半年分程度を退職金代わりに握らされ、監査法人を去る羽目になっている。

それで、彼らは、どこに行ったのか?①一般企業の経理・財務部門に転職、②中小監査法人に転職、③税理士法人に転職・開業――などが多い。でも、その道もなかなかに厳しく、一般企業の経理・財務に転職した会計士の中には、会計士資格を抹消してしまう人が増えている。というのも、会計士の場合、独占業務が監査だけのため、企業に入ると、弁護士と違って「資格保持者」として重用されることが少ない。「内部監査」を専業に行う部署を持つ大企業に転職できる可能性は低いし、入れたとしても異動はつきもの。営業や生産管理など会計とまったく関係ない部署に配属される場合も多い。

また、公認会計士資格を保持するための登録料(東京の場合、日本公認会計士協会本部会費として年間6万円、東京会会費として年間4万2000円、合計10万2000円を毎年支払う必要がある)を支払ってくれる会社はなかなかない。そして自腹を切るには、この金額負担は重すぎる。だから、せっかくの資格を放棄してしまう。

公認会計士は税理士法の規定により、無試験で税理士登録できることから、最近では③の税理士に転職というパターンが急増している。その動きには、日本税理士会連合会が猛反発。資格付与制度自体を撤廃しようと画策している。というのも、その税理士とて、今では決して「安定収入」を見込める仕事ではない。

起源

公認会計士制度を完成させたのはイギリスである。以前の簿記は基本的に現金主義であくまで現金や債務債権および在庫の記録のみに終始した。ところが産業革命に伴う資本投資および在庫の拡大、さらには金融業の発達に伴う貸借の複雑化などから発生主義会計が重視されるようになり、減価償却などそれまでの簿記に含まれていなかった概念が登場し、会計処理の需要が急増した。当初は専門職として成立していなかったが、19世紀に至ると会計士が専門の組合「会計士協会」を形成する。1853年にスコットランドのエディンバラで成立したエディンバラ会計士協会は1854年10月23日に国王より勅許 (Royal Charter) を受け、ここに世界最初の公認会計士が誕生した。

さらに、株式会社が資本主義において重要な位置を占めるようになると、会社の経営陣と所有者(株主)の分離がおこり、企業の株(および債券)が有価証券として市場で取引されるようになる。結果としてこれまでは内部資料に過ぎなかった企業の会計資料がこれらの有価証券の公正な価格の基準として公共性を帯びるようになる。前述のエディンバラ会計士協会の会員であるウィリアム・クィルター(William Quilter, 1808年 - 1888年)は、株主が監査を行うことを不適当であるとし、「監査の独立性」を強く主張する。その後、イギリスでは株式市場に上場する企業の財務諸表に関する適正性を証明する監査業務に関しては公認会計士に独占的業務権が法的に与えられる。

業務

公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。 ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。(公認会計士法業務より)

公認会計士の業務は、監査、経理、財務に大まかに分別される。日本では、税務業務に関しては税理士の独占業務となっているため、税理士登録して税理士となることによりはじめて行うことが可能となる。また最近ではこれに金融と情報管理(IT)が付加されている。

公認会計士になるためには監査事務所に見習いとして就職し資格試験を合格して監査人としての業務を行うことが典型的であった。しかし最近は監査業務の延長としてのコンサルティング業が会計士の業務に大きな割合を占めるようになってきた。実際に世界四大会計事務所の業務収入の内訳を見てみると監査収入が三分の一ほどで残りの三分の二は企業相手のコンサルティングから得られている。このことを反映して海外、特に英米での公認会計士の最終試験の内容も大いに変わってきている。

例えば米国では会計士事務所よりはむしろ大企業や政府に所属して会計・財務・経営計画などの中核メンバーとして働いている者の方が多い。概算で4割は会計事務所で監査業務等に従事、6割は事業会社や官公庁の経営職として最高財務責任者さらには最高経営責任者といったポストに就く。イギリスの公認会計士の最終試験は例外なくケーススタディ(実際におこりうる経営問題の解決)である。試験の一月前に架空の会社の資料を渡され、試験の開始直前に与えられる経営問題に対して会計学および経営学を駆使して回答するという内容である。経営問題は、企業買収、新市場に参入、節税対策など多岐に及ぶ。(例[1])英米の会計士団体は公認会計士の資格をMBAの上位資格として位置付けようとしている。

日本においては、公認会計士は監査の業務に集中する。これは日本では公認会計士の資格の保持者が極端に少ないことと、会計士と別の税理士の資格が存在すること。さらに監査以外の業務で公認会計士が収入を得ることは外部監査の独立性が損なわれる可能性があるため法律で制限されているなどの事情による。また日本においては、公認会計士よりも基礎となる簿記の資格を企業の社員が収得して、他の業務を行う場合が多い。日本国外、特に欧米では監査法人で多数の企業の会計を扱ったあと、民間企業に経理、税務、あるいは財務担当の専門職に天下る、あるいは投資銀行などの金融機関で企業査定の専門家として転職する、コンサルティング会社に就職するなど多彩なキャリアが存在する。日本国外の公認会計士の資格は日本の公認会計士の資格と簿記の資格の中間にあると認識するとその業務内容の多彩さが理解しやすい。

監査

監査証明業務ともよばれる。この場合はAudit&Assuranceと英語で表記され、監査と(会計)証明業務という関連する二つの業務を指す。監査(かんさ、auditまたはauditing)とは、ある事象・対象に関して、一定の規準に照らして証拠を収集し、その証拠に基づいて何らかの評価を行い、評価結果を利害関係者に伝達すること。これが会計学においては財務会計の基準にてらして行われる監査証明業務と、管理会計の基準にてらしておこなわれる業務監査(内部監査)に分かれる。会計証明業務とは、他人の求めに応じ報酬を得て、特定の基準に沿って財務書類の監査および証明を行うことである。ほとんどの国でこの業務は公認会計士が行わなければならないと法律で定められているだけでなく、株式市場に上場している企業においては公認会計士による会計監査を受けることが法律で義務付けられている。また日本の公認会計士は、独占業務として財務書類の監査・証明業務(通称1項業務)を行える。

一方の業務監査とは「組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、これに基づいて意見を述べ、助言・勧告を行う監査業務、および特定の経営諸活動の支援を行う診断業務」がその本質とされるものである。この中で一般の会社員に最も身近なものは社内での不正・背任行為に関する調査である。証券業においては末端の社員が数百億円の資金を毎日動かすことができるため、業務監査を怠った企業が数千億円の損失をかぶるなどして倒産するなどのことが時折おこる。またコンプライアンスを徹底し不祥事を防ぐなどその役割がある。日本では業務監査は社内の人員が行うが日本国外では業務監査を会計事務所などの第三者に委託して客観性を高める場合もある。

会計証明業務は公認会計士のキャリアの基礎となる業務である。公認会計士の卵はたいてい監査法人に勤務して、監査証明業務を行うのが普通である。この場合、最終的には監査法人の従業員から社員になることをキャリアとして目指す。業務内容としては、どの業界の企業の監査を行うのか、さらに監査対象の企業の規模によって異なる。東証一部上場企業でも、日本国内で活動するだけの企業と多国籍企業の監査は規模に大いに違いが出る。また監査法人の社員になると、単に監査を指揮するだけでなく、監査契約獲得の営業が大きな部分を占めてくる。前述したコンサルティング業務を監査とつなぎ合わせて契約を勝ち取る場合が多いため、監査だけでなく経営全般に関する深い見識を顧客に示すことが要求される。この営業能力の有無が最終的に監査士として出世できるかの分け目となる。近年、このような監査営業によって監査法人の独立性が損なわれているのではないかとの批判がなされている。

経理

会計学においては財務会計と対をなす管理会計を基礎とする。経営工学にも通じ、主として、会計情報を経営管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立てることを目的としている。また予算の編成にも大いに関る。欧米では工学技師や情報技師、あるいは企業で財務や営業部門で経験をつんだものが、キャリアアップの一環として会計士(あるいは簿記)の資格を取得した場合はその後、管理職に再就職する場合が多い。また雇用側の企業が簿記あるいは会計士の資格を社員にとらせる場合もある。 また海外では管理会計に特化した公認会計士の資格も存在する。代表的なのが

Society of Management Accountants of Canada (カナダ)
Chartered Institute of Management Accountants (英国)
Institute of Certified Management Accountants (オーストラリア)

で勅許管理会計士(Chartered Management Accountant)あるいは公認管理会計士(Certified Management Accountant)と呼ばれている。これらの会計資格でも監査権限を有する。海外の軍隊の経理将校などはこの資格を有することが多い。

日本でも2013年に「企業財務会計士」の資格制度が発足することが発表された。[2]これは、日本では、公認会計士がその数の少なささから監査業務のみに特化していたため、欧米のように財務や経理などで広い分野ではほとんど活躍していなかった。そこで近年の資格制度の改革によって公認会計士の合格者を増やすと、合格者が就職できないという事態が発展したためである。この新制度はあくまでもこの日本特有の状態に対応するためであるため、企業財務会計士は監査権限を有さない。また金融庁は上場企業に対して、社内では会計専門家の活用状況の報告を義務付ける方針であるため、間接的に企業の財務業務において「企業財務会計士」の採用を促す方針である。[3]

税務

それぞれの国の税法に基づいて税務代理、税務書類の作成および、税務にかかわる相談にのる。これは法律に関する知識が相当量要求される。また弁護士などと競合する分野で、多国籍企業の税務は会計士として一番複雑で難しい部門であるとされる。また日本では会計士と弁護士の資格収得が極端に難しいのであまり考えられないことだが、欧米では、公認会計士としての資格を取得したあと弁護士の資格を取得して、税務に特化するというキャリアも存在する。オーストラリアでは商学士と法学士の両方を四年で取れる学科も存在する。また独占業務としての税理士が存在するのは日本、ドイツ、オーストリアと中国だけであるが他の国でも税理士協会は存在する。例えばイギリスではChartered Institute of Taxation(勅許税理協会)が存在する。この協会の制定する試験に合格し一定期間の業務経験をつめば税理士(CharteredTaxAdvisor)となる。ただし日本などと違い税務に関する独占業務権を持たない。しかし税務は複雑な業務であるため企業や監査事務所の税務部門および国税庁の官僚は大抵この資格を有する。

財務

キャリアとして、監査法人で働いたのち一般企業の財務担当者に転籍するか、企業の経理あるいは財務部に就職したあと、簿記や会計の資格を段階的に合格して公認会計士となった暁に、条件がさらによい職場に転職する場合とがある。転職で、特に政府関連企業先の財務部に監査担当として就職した場合は、高収入が得られるキャリアとして知られている。また、一般企業において財務部に配属された場合は何らかの簿記・会計士の資格取得のために専門学校での学費の手当がある。近年、多額の負債を隠蔽して倒産されたエンロンの財務部門では監査法人であったアーサー・アンダーセン(Arthur Andersen)から天下りしてきた会計士が元のアーサー・アンダーセンの監査士の相対として働いていた。

このような悪例があるにしても、監査法人の業務によって得られる税務・金融に関する知識は多大であるため、例えば、イギリスの上場企業のCFO(最高財務責任者)のほとんど全員が公認会計士の資格を有する。上場企業では会計士の資格がこの部門では管理職への出世の最低条件である場合がほとんどである。

アメリカにおいては、過去二十年間に、会計士の資格を有さない、MBA保持者がCFOになることがしばしば見られた。しかしこれが最近のアメリカ実業界で起こった一連の会計スキャンダルおよび企業倒産の一因ではないかとの批判がおこる。前述のエンロンの場合、企業格付けが高かった絶頂期には簡単に融資が受けられたため財務がおろそかにされ、不正が発覚した後に前任の財務担当者が首になり新しい財務担当者が就任したときはどれだけの債務がどの日に支払期限になるのかも正確に把握していないようなお粗末な内容であった。

これを受けて、「上場企業会計改革および投資家保護法」(Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002:サーベンス・オクスリー法、企業改革法、SOX法)において財務責任者の最低一人は会計士の資格を有してなければならないと定められた。このため、将来的にはアメリカでもCFOは会計士の資格を有するものが占めるようになるであろうと予測されている。

金融

金融は財務と裏表の関係であり、企業の財務担当者として就職する代わりに投資銀行などの企業で投資先の査定などを専門とする業務に就職する。この場合、会計士の資格取得後にChartered Financial Analyst(米国)やCertified International Investment Analyst(欧州)などの証券アナリストの専門資格を取得する。また金融関連の会社ではCFOを経験したのちにCEOに出世するなどのキャリアも存在する。

情報技術(IT)

会計(Account)とは英語で計算(書)あるいは 勘定(書)という意味であることからもわかるように、もともとから企業情報の明細・分別が基礎にあり、このことから会計士は端は明細書から有価証券報告書まで企業の書類(情報)の把握と分類に業務の性質上から深く関っている。このことから会計士の業務としての経理業務の延長としての情報管理業務が存在する。

この業務の誕生はIT産業の発生とほぼ同時期のおこりその起源も意外と古い。世界のコンサルティング会社の大手であるアクセンチュア(Accenture)も元々は世界5大会計事務所(Big 5)の一つであったアーサー・アンダーセン(Arthur Andersen)の分社であり、アクセンチュアの起源はアーサー・アンダーセンの顧客であったゼネラル・エレクトリックが1953年に自動給与支払機の導入についての採算性の調査を依頼したことにある。この調査の結果、UNIVAC Iの導入が決定され、その後の、GEの自動給与支払機の導入プロジェクトを指揮したのがアーサー・アンダーセンの一員であったJoe Glickaufで、アメリカで最初の企業用電算機の導入を成し遂げる。後にGEの会社運営全般のIT化を指揮し、Joe GlickaufはITコンサルティングの父と呼ばれている。監査会社を起源とするコンサルティング会社(他BearingPoint社など)がIT関連の企業コンサルティングの分野で目立つのもこのためである。欧米においては企業の情報管理システムの機能の設定と構築は会計士が行い、そのプログラミングを情報技師に委託するなどの場合がある。日本でもシステムエンジニアが顧客の企業側と交渉を行う場合の相方は経理部門の人間であることが多い。また欧米の学位では情報工学の学部生が単位の半分を会計学部の学科から取り、その後で企業ITの専門家(システムエンジニア)として銀行やコンサルティング会社などに就職するなどの例がある。

コンサルティング業務

会計士は監査業務に携わる関係で膨大な数の企業の経営・財務に関係するだけでなく、管理会計の知識により経理・財務・企業法務にも精通しているため、当然にコンサルティングが副業となる。日本においては公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることができる。これは公認会計士法の二項に基づいているので通称で2項業務と呼ばれている。但し、自己監査は監査に非ずの法諺のとおり、他の法律においてその業務を行うことについて様々な制限が設けられている。

1990年代には世界五大会計事務所における利益の半分がコンサルティング業務から得られるという状態になり特にアメリカでは、監査が監査対象企業のコンサルティング業務の副業のような状態になり監査法人の独立性が著しく損なわれたと指摘されている。2000年代初頭に起こった一連の会計不祥事の後は監査会社のコンサルティング部門は別会社として分化されている。 ただし、会計士が監査法人でキャリアをつんだ後、別のコンサルティング会社において管理会計などの知識を駆使して財務、経理、金融、経営、ITのコンサルタントとしてのキャリアをつむことは多い。この場合によく見られるのは、会計士の資格とともにIT関連や証券アナリストの資格、MBA(経営学修士)やまれに弁護士の資格を取得することである。この中で特に多いのは会計士とMBAの掛け持ちである。

その他の業務

英国においては、公開会社書記役になりうる資格として、英国の弁護士である又は認定されていることや、指定された公認会計士団体や勅許書記士管理士協会の会員であること等が定められており、会計士や弁護士が会社総務の最高責任者になることがまれにある。イギリスにおいては、法務、総務、経理、財務などの業務にすべて専門の国家資格が存在する。 また日本では弁護士にしか許可されていない破産管財人の業務をイギリスやアメリカなどでは会計士が行うことができる。イギリスなどでは破産管財人のほとんどが弁護士でなく公認会計士である。資産の処理償却および破産後の経営再建には弁護士よりも会計士のほうが適役であるからである。

諸国の事情

公認会計士に相当する職能資格による監査制度は、証券市場における投資家からの直接金融制度には欠かせない制度であり、多分に共通要素がありながらも、各国における経済諸事象を反映して個々別々に発展している。他方、経済の国際化と情報通信技術の急速な発展に伴い、会計基準と同様に国際的コンバージェンスが課題とされることがある。詳細は、公認会計士制度或いは次に掲げる個々の職能資格を参照されたい。

英国

公認会計士制度を完成させたのはイギリスである。産業革命に伴う機械投資で減価償却などそれまでの簿記に含まれていなかった概念が登場し、会計処理の需要が急増した。当初は専門職として成立していなかったが、19世紀後半に至ると会計士が専門の組合「会計士協会」を形成する。1853年にスコットランドのエディンバラで成立したエディンバラ会計士協会は1854年10月23日に国王より勅許 (Royal Charter) を受け、Chartered Accountant(勅許会計士)という資格を与えることになった。これによって世界最初の公認会計士が誕生した。英国のイングランドでは1880年にイングランド及びウェールズ勅許会計士協会 (ICAEW) が続けて勅許を受ける。

しかし勅許会計士の団体はその設立当時はシティ・オブ・ロンドンの会計事務所などの金融街以外の会計士の入会を拒むなどの排他的な会員制で上場株式会社の監査業務を独占しようとしたために、他の会計士の集団から猛反発をうける。また設立当時は監査に業務を限定したために企業の経理や財務などの業務に関わる会計士の集団が他の団体を作ることになり、これによってイギリスでは(公認)会計士の団体が乱立することになる。初期には地域や業務に特化した会計士の団体が数十存在したが地域団体の統合や会計業務の変化による組織の消滅や統合を繰り返し現在は下記の八つの公認会計士が存在する。

  • 勅許会計士(Chartered Accountant)
  • 勅許認可会計士(Chartered Certified Accountant)
  • 勅許管理会計士(Chartered Management Accountant)
  • 勅許公共財務会計士(Chartered Public Finance Accountant)
  • 認可公認会計士(Authorised Public Accountants)
  • 国際会計士(International Accountant)
  • 財務会計士(Incorporated Financial Accountants)
  • 公認会計士(Certified Public Accountant)

勅許は王室のお墨付きを意味しこれを受けるということは単なる認可団体以上の存在であることを意味する。それぞれの団体ごとに資格試験、および資格習得に必要な実務経験の内容が異なるが一般に世界最古であるスコットランドの勅許会計士の資格の習得が一番難しいとされている。以前はACA(勅許会計士)だけが勅許の称号を有する会計士団体であり上場企業の監査を法的に独占していた。またロンドンの証券市場が事実上の国際金融の中心であることやイギリスの著名な会計学者が同時に勅許会計士であること、さらには設立が世界最古であることなどもあいまって勅許会計士は世界の会計士の中でも別格にみなされることもある。さらに国際会計基準審議会はもともとACAが中心になってはじめた企画であり現在の会長と副会長は両者ともACAの勅許会計士である。ACA取得に関しては、イギリスの四大会計事務所に勤務し、3年間のトレーニング契約の間に15科目の試験を合格することによってのみ取得可能。3年以内にACAを取得することが監査部門に残ることの条件とされている。

一方でイギリスでは会計業務の執行は原則として自由なので素人でも会計士・師 (Accountant) を名乗ることができる。またイギリスの「勅許・認可」会計士制度は法令による単一団体の独占でなくあくまでも特定の基準に達した会計士団体が国あるいは王室から認可あるいは勅許を受けるという制度であるためにそれぞれの会計士団体が自らの勢力と地位を向上させるべく会員数および財界での影響力の拡大を目指すという内情になっている。ただし世界四大会計事務所などでは監査業務はいまだに勅許会計士の資格保持者(あるいはスコットランド勅許会計協会認定の勅許会計士だけ)が独占しており業界内での差別化が存在する。またACAはACAの会員の会計事務所に見習として勤務しているもの以外は資格試験がないという排他的な制度を採っている。

しかし近年はこの寡占状態にも変化が見られる。まずこれまで小規模で乱立していた会計士の団体がACAに対抗するために統合などにより勢力を増したこと。さらにACAの監査の独占を嫌う財界の企業が他の会計士団体にも法的な監査権限を与えることを働きかけたためACAの対抗組織として組まれたロンドン会計士協会 (London Association of Accountants) が1930年に法的な監査権限を獲得。さらに会計業務の多様化および専門化から管理会計や内部監査や税務や公共財務などの新しい専門業務に特化する会計士団体がACAの勅許会計士の会計事務所の副業に食い込んでいる。さらに管理会計協会や公共財務会計士協会も法的な監査資格を習得した後に勅許を獲得している。

特にロンドン会計士協会はイギリスの他地域の勅許会計士以外の会計士団体を吸収する形で拡大、1971年に名称を公認会計士協会 (Association of Certified Accountants) に変更。1974年にはイギリス女王より勅許 (Royal Charter) を受け協会名をAssociation of Chartered Chertified Account (ACCA) 勅許公認会計士協会とあらため勅許公認会計士 (Chartered Certified Accountant) という資格を与えることになった。ACCAは元々ACAの排他性に対抗して設立された経緯を反映して資格試験の受験資格も低く大卒以外にも公認会計士になることができる制度を設置している。ACCAで特筆されるのは他の会計士団体は別々の専門業務に特化するという形で監査に特化するACAに対抗したのに対してACCAは逆に業務に特化せずに海外進出による拡大戦略をとったことである。まず会計士の育成制度が整っていない英国連邦の途上国に働きかけ、税務および商法に関する試験を国別に設置するなどしこれらの国でACCAの資格を国内資格として認可されている。その後にEUで専門資格が相互認定されることになるとEU諸国の会計士専門学校でACCAの学科の設立を働きかけ、イギリス以外の国での勅許公認会計士の資格保持者の数を増やすことに成功している。世界の会計基準の統合に伴い、現在では英国連邦国だけでなくヨーロッパ、アフリカ、カラビア諸島国家、カナダ、中国、ベトナムなどの国で法的にその資格が認可されており事実上の公認会計士の国際資格となりつつある。このACCAの興隆に対抗する形で過去に勅許会計士と勅許管理会計しと勅許公共財務会計士の団体の統合が何度か企画されたが過半数の会員の合意がえられずに頓挫している。

米国

米国公認会計士参照

参考文献

洞口治夫・行本勢基『入門・経営学(第2版)-はじめて学ぶ人のために-』(新公認会計士試験対応)、同友館、2012年.[4] この本からは、初版発行以来、毎年、公認会計士試験2次試験「経営学」の問題(用語)が出ている。

公認会計士を題材としたテレビドラマ

関連項目

外部リンク


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