「世界基督教統一神霊協会」の版間の差分

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(政治に関する活動)
(教団側勝訴の判例)
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=== 教団側勝訴の判例 ===
 
=== 教団側勝訴の判例 ===
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*[[世界基督教統一神霊協会#統一教会信徒の拉致監禁問題|統一教会信徒拉致監禁(強制改宗)]]の違法性
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:*[[人身保護法 (日本)|人身保護請求]]が認められた事例(実質的勝訴)
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::統一教会(統一協会)信者(30歳男性)が拉致された上、[[精神科|精神病院]]に強制入院させられ改宗を強要された事件で[[人身保護法 (日本)|人身保護]]請求訴訟により解放された事例{昭和55年([[1980年]])人ナ第1号、東京高裁・杉田洋一裁判長}
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::統一教会(統一協会)信者(26歳女性)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、[[高村正彦]]弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和55年(1980年)}人ナ第1号、高松高裁・越智傳裁判長}
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::統一教会(統一協会)信者(25歳女性、小学校教員)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、上野忠義弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和56年([[1981年]])人第1号、宇都宮地裁・多賀谷雄一裁判長}
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:*強制改宗の違法性
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:: [[2002年]]2月20日 統一教会(統一協会)の信者(31歳女性)に対して、信者の両親が信者を監禁、脱会を強要した事件において、「逮捕・監禁」は不法行為であり、脱会の説得に協力した牧師も連帯して責任を負うとの判決。被告は[[上告]]はせず判決が確定した。(広島高裁・宮本定雄裁判長)
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*献金の正当性
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: [[2003年]]11月27日 名古屋高裁、統一教会(統一協会)の献金の正当性を認め、原告の献金返還請求を棄却。
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:教団の関連する「天地正教」の導師部長を勤めていた元信者が1000万円の献金について、「信者の因縁話によって畏怖して献金したもの」として、「天地正教」への貸付など、約3700万円の損害賠償を求めた事案。
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:(2001年)2月28日、名古屋地裁は「自主的に献金した」、「統一教会(統一協会)の信者等における脅迫等、違法な働きかけは認められない」として原告の訴えを退けた。1000万円という額についても「宗教活動として許された範囲を遥かに逸脱した違法なものとまでは言えない」と判断した。原告が控訴した名古屋高裁も一審判決を支持。[[2004年]]10月22日、最高裁への上告も棄却され、統一教会(統一協会)側が全面勝訴した。
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=== 教団側敗訴の判例 ===
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*献金勧誘行為の違法性
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:* [[1993年]](平成6年)5月27日、[[福岡地方裁判所]]での判例
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:: [[1993年]](平成6年)5月27日、[[福岡地方裁判所]]で、統一教会(統一協会)の「霊感商法」に対する損害賠償請求訴訟で、全国で初めて統一教会(統一協会)の関与と賠償責任を認め、3670万円の支払いを命じる判決が出た。信者らは2人の[[未亡人]]に対し、亡くなった夫に関して、先祖の因縁話で、不安を煽り、執拗に迫って高額の献金をさせたり、[[弥勒]]像等を購入させた。福岡地裁は「献金勧誘行為は、布教活動の一環として行われたものであったとしても、その目的、方法、結果において到底社会的に相当な行為であるということはできず、違法であり、[[民法]]709条の不法行為に該当する」、「信者らと教団は実質的な指揮監督関係にあり、信者が献金勧誘行為が教団の教義である万物復帰の実践として理解していたことや献金がいずれも教団に帰属していることなどからみて、原告らに対して不法行為責任を負う」と判断し、教団に[[使用者責任]]を認め、献金相当額と慰謝料の支払いを命じた(『判例時報』1526号121頁 平成8年(1996年)2月19日福岡高裁控訴棄却 平成9年(1997年)9月18日最高裁上告棄却)。
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:* [[2002年]](平成14年)10月28日、[[新潟地方裁判所]]での判例
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:: 元信者が、教団による違法な入信勧誘・教化行為によって損害を受けたとして、不法行為に基づく損害賠償を教団に求めた事案で、[[2002年]]10月28日、新潟地裁は「信者らもしくは信徒会の伝道・経済行為は、被告(統一教会)が経済的な利益を追求するという目的のもとになされ」、「信者らが、文鮮明の配下というべき教団の幹部らの意を受けてその指揮・命令の下に実行された結果と認められ、(中略)原告らに対する、法人としての教団自身の故意に基づく違法行為であると評価することができる。」として民法709条に基づいて、その違法行為による損害を賠償する責任を負うと判断された(平成14年([[2002年]])10月28 新潟地方裁判所 [[1989年|平成元年]](ワ)374号、[[1990年|平成2年]](ワ)389号、[[1992年|平成4年]](ワ)389、[[1993年|平成5年]](ワ)445 損害賠償請求)。
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:* [[1997年]](平成9年)4月16日、[[奈良地方裁判所]]での判例
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::信者らの違法な献金勧誘行為により、原告らが損害を被ったとして、教団に対して、民法709条又は715条に基づき損害賠償を請求した事案で、[[1997年]]4月16日、[[奈良地方裁判所]]は教団の献金勧誘のシステムの特徴として、
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::# 「万物復帰の教えの下、個々の対象者からその保有財産の大部分を供出させ、被告全体としても多額の資金を集めることを目的とするものである」、
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::# 「対象者がある一定レベルに達成するまで、被告の万物復帰の教えはもちろんのこと、被告や文鮮明のことを秘匿あるいは明確に否定したまま、対象者の悩みに応じた因縁話等をして不安感を生じさせあるいは助長させる方法をとっている」
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::# 「各種マニュアル等により勧誘方法が全国的に共通していて、組織的に行われている」
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::教団への入会ないしは献金等については「入会ないしは献金等をしようとする者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げ、また、被告への入会ないしは献金等をさせるため、対象者を威迫して困惑させるものであり、方法として不公正なもの」と判断し、教団の献金勧誘のシステムは、「不公正な方法を用い、教化の過程を経てその批判力を衰退させて献金させるものといわざるを得ず、違法と評価するのが相当である。」として教団に原告2人に対する損害賠償を命じた(平成9年([[1997年]])4月16日判決言渡 平成9年4月16日判決原本交付 裁判所書記官 平成6年(1994年)●第二〇七号 損害賠償請求事件)。
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:* 準禁治産者申し立て事件
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::教団に献金を続ける信者に対し、親族が[[家庭裁判所]]に準禁治産者、保佐人選任の申し立てを行い、審判前に保全処分が認められた事例がある。しかし、2000年4月の「禁治産・準禁治産制度」から[[成年後見制度]]への制度変更により、準禁治産の事由に含まれていた「浪費者」を制度の対象から除外したため、このような申し立てはできなくなった。
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*伝道に関する違法性([[青春を返せ裁判]])
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:元信者らが、教団又はその信者らの違法な詐欺的・脅迫的な勧誘・教化行為によって入信させられ、その後、長期間被告の献身信者として過酷な生活をさせられて信教の自由を侵害され、また、その過程で献金及び合同結婚式への参加を強要されて財産権及び婚姻の自由を侵害されたとして、不法行為(民法709条又は715条)に基づき慰謝料等の支払を求めた事案。
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:東京地裁は、信者らの伝道活動は、「相手方を畏怖困惑させ、それによって被告の教義からの離脱を困難にすることに主眼を置いていたもの」、「献金及び無償で物品販売活動等を行わせること及びそのような行為をする被告の信者を再生産することによって、経済的利益を上げることもその目的であった」、「(先祖の因縁や霊界等の)非科学的な超自然的な現象についての話は、科学的・論理的な検証が不可能であって、個人差はあっても、これを聞いて漠然とした不安を抱くことになる者がいるのは明らかであり、その上で自分や家族の具体的な事実と結び付けられると、恐怖を感じることは避けられない」「教義に深入りさせる方法としては、相当性を欠くものといわざるを得ない。」として「原告らに対する勧誘・教化行為は、不当な目的に基づく社会的相当性を逸脱した方法で、結果として原告らの自由意思を阻害しているものといわざるを得ず、原告らの信教の自由を侵害する違法な行為というべきである。」と判断した。また、合同結婚式への参加を勧めた行為についても、「信者の間では、合同結婚式への参加を断る自由があるという理解はなかったものと認められる。」として、「婚姻の自由を侵害する違法があるもの」とした。
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:損害については「過酷な経済活動や伝道活動に従事して労役の提供を余儀なくされ、さらに、献身するために勤務先の会社をやめることを余儀なくされるなど献身期間中、従前の人間関係や社会生活等を破壊された。」「文鮮明の選んだ相対者を断ると、自己や先祖の救いの道が閉ざされ、病気や怪我をしたり又は死んだりすることになるとか、死後地獄に行くことになるなどと思って苦悩し、相当の精神的苦痛を被った。」などとして、教団に対し原告の3人に対する慰謝料の支払いを命じた。被告の高裁への控訴、最高裁への上告はいずれも棄却された(平成14年([[2002年]])8月21日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成11年(1999年)(ワ)第18400号 平成15年(2003年)5月13日口頭弁論終結)。
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*婚姻の無効性
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: [[1993年]]10月7日 福岡地裁で、統一教会(統一協会)の合同結婚式に参加し、教会の指示により婚姻届をした日本人女性が婚姻意思の不存在を理由とした日本人男性との[[婚姻の無効]]の訴えが認められる。信者の福岡高裁への控訴・最高裁への上告共に棄却(1995年10月31日、1996年4月25日。婚姻届をした後に脱会した元信者による婚姻無効の確認を求める裁判は、 [[1999年]]4月時点で、約50件程がその主張通り認められている。
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*強制改宗をめぐる記事の信憑性
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:教団自身が敗訴した例ではないが、[[カルト]]問題の第一人者である[[東北学院大学]]名誉教授の[[浅見定雄]]が、宗教[[ジャーナリスト]]の[[室生忠]]が浅見を「強制説得」を指導する「全国霊感商法対策協議会」の「請負人」かつ「世話人」であると書いた記事を名誉毀損に当たるとして、記事を書いた室生とその原稿を掲載した『創』の編集長、[[篠田博之]]を訴えた。
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: [[2001年]]12月17日、東京地裁は、室生側に対し、「記載される個人に対する直接の取材と言う基本的ルールを無視し、これを省略して一方当事者の立場にある統一協会からの資料提供に全面依存し、その結果、事実の記載を誤るべくして誤ったものである」として金90万円の損害賠償と『創』誌への謝罪広告の掲載を命じた。2審でも浅見側が勝訴し、室生側の最高裁へ上告は棄却された。強制改宗に関する教団の主張が信憑性に問題がある[[プロパガンダ]]的なものであることが明らかになる。
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*統一教会(統一協会)の現役信者夫婦が、日本人妻の両親と説得に関わった牧師に対し、[[人格権]]に基づき、拉致監禁、棄教強要などの差し止めと、牧師に対し約1330万円の損害賠償を求めた訴訟。
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: [[2002年]]3月8日 東京地裁は原告の請求を退け、牧師も両親も全面勝訴した。原告が主張した「S牧師は違法行為の共謀をした」、「原告が監禁されていることを容認した」、「説得を受けた部屋が統一教会(統一協会)信者の監禁場所として常用されていた」、「[[日本基督教団]]が統一教会(統一協会)信者を脱会させるために拉致・監禁を組織的に行っている」などがすべて否認された。S牧師が暴言的、脅迫的発言や暴行を行ったという訴えに対しては「穏当性を欠くものであったが、損害賠償請求権を発生させるほどの違法性はない」と判断した。[[2002年]]12月26日、高裁への控訴、同年6月27日、最高裁への上告は共に棄却され、被告のS牧師と両親の勝訴が確定した。
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=== 和解の事例 ===

2011年4月30日 (土) 23:09時点における版

統一教会

世界基督教統一神霊協会(せかいきりすときょうとういつしんれいきょうかい、英名:The Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity)は、韓国発祥のキリスト教新宗教団体(ただし一般のキリスト教会はキリスト教の一教派とは認めていない(#教義の節を参照)。日本では一般に、統一教会(とういつきょうかい)または統一協会(とういつきょうかい)の名前で、韓国では「統一教(トンイルギョ)」の名前で知られる。韓国では1997年4月に、正式名称を「神様王権党」に変更した。

創始者の文鮮明長老派キリスト教徒であったが、15歳の時にイエスの使命を受け継いで欲しいという神からの啓示を受けることを契機に新しい真理を悟ったという。文鮮明の思想の特徴は「神と人間は親子の関係である。」という思想である。神はすべての被造物を神の喜びの為の善の対象として創造された、そして、最後に人間を子として祝福して、生育せよ、繁殖せよ、万物を主管せよ(創一・28)と言われた。この三大祝福にしたがって、人間が神の国、即ち、天国をつくって喜ぶとき、神もその子をご覧になって、一層喜ばれることはいうまでもない。文鮮明は、神の創造目的は三大祝福を中心として神の心情と一体となることだと考え、神の国を実現しようとした。しかし、この真理をキリスト教会が受け入れなかったとして、キリスト教の代理として世界基督教統一神霊協会が1954年5月1日韓国ソウルに創設された。世界本部はニューヨーク(かつては韓国のソウル)にあり、世界193か国に支部(協会)がある。

韓国でベストセラーとなった『平和を愛する世界人として-文鮮明自叙伝』の日本語版が2009年10月2日に創芸社により発売された。Amazonの書籍ランキングで1位を獲得したことがあった。


概略

統一教会
統一教会
統一教会
統一教会
統一教会
統一教会

「統一教会(統一協会)」の教祖(創始者)、文鮮明日本統治時代朝鮮 の農家の次男として生まれた。数え年16歳のときにイエス・キリストから自分が果たせなかったの目的を果たす使命を託されたと主張している。すべての宗教の中心であるキリスト教徒が自分を再臨キリストメシア)として受け入れれば、7年間で地上天国を完成させる機会が第二次世界大戦後の時期にあったが、当時のキリスト教徒の代表たちが文鮮明を受け入れずにその歴史的な機会を失ったため、キリスト教に代わるものとして設立したのが「統一教会(統一協会)」であるとしている。

教団の目的は、夫は妻の為に妻は夫の為に、親は子の為に子は親の為にという、為に生きる真の愛で、社会の基本単位である真の家庭を建設することにより、神の理想とする地上天国を実現することである。そのために、様々な分野において活動を展開している。教団の活動は統一教会のYouTube動画と統一教会情報局!より確認できる。統一教会ローマ教皇愛称パパ聖母マリア儒教五徳を合わせたものと考えられる。

教団は前述のような理由から宗教活動以外に、多国籍企業を上回るほど幅広い事業を手がけ、多くの関連企業や関連団体を持つ(統一教会関連の企業と団体の項目を参照)。そのために日本統一教会からも多くの献金がされている。 韓国においては、教団設立の翌年(1955年)に、韓国の名門女子大である「梨花女子大学校」の教授学生らが多数入教したことが騒動となり、批判され、教勢が後退した。当初大学校側が思想自由、宗教迫害だとマスメディアから批判を受けていたのに、後に教団に批判的な報道に変わったのは、大学校幹部に当時の韓国政府の高官の親族がいたことから、政治家からマスメディアに圧力がかかったためだという指摘がある。その翌年(1956年)、当時、まだ国交のなかった日本での伝道のため、宣教師密入国させた。1960年代初めには、立正佼成会庭野日敬会長(当時)の指示で統一教会(統一協会)の教えを学んでいた、立正佼成会の青年部の信者50名ほどが統一教会(統一協会)に転じ、2年後に日本の会長になった久保木修己を初め、後に教団幹部となる者が出た。

政財界とも強い結びつきがあり、東西冷戦時代の1960年代後半に、教団は反共主義政治団体、「国際勝共連合」を韓国と日本で設立。神仏や人間の霊性を否定する共産主義を神と人類の敵として徹底的に批判し、それぞれの国の与党や保守勢力を支援し、関係を深めた。文鮮明が共産主義崩壊の仕掛け人と指摘されていることから、統一教会に反対する人の多くはリベラルな思想を持った個人、団体、及び、教義が異なるキリスト教の牧師、それに影響を受けた人達だと言われ、マスメディア、インターネットへの書き込み等、様々な媒介を使って批判を展開していると言われている。

1970年代からは、文鮮明はアメリカに居を構えて、大規模な講演会を幾たびも開催した。日本から渡米した信者らも伝道と経済活動を活発に行った。政治的には共和党を、自ら創刊した保守新聞ワシントン・タイムズ』などのマスメディアで一貫してバックアップし、政界を初め、各界との関係を深めてきた。『ワシントン・タイムズ』は、当時のレーガン大統領が唯一、ベッドルームへ持ち込む新聞と言われ、その論調は当時の政権に大きな影響を与えてきた。当時のソ連を戦略兵器制限交渉のテーブルに引っぱり出し、冷戦終結に導いたアメリカのSDI計画の推進は『ワシントンタイムズ』の論調が強く影響していると言われている。しかし、リベラル派からの反対も受け、文鮮明は脱税の罪で1年余りの懲役刑を受けるということも起こった。

文鮮明はアメリカから出国すれば懲役刑を免れることができたが、出国せずアメリカにとどまった。文鮮明の脱税に関して教会側は宗教弾圧による冤罪であると主張している。その後、アメリカの諸宗教団体40団体以上(米国キリスト教協議会(NCCC)、米国バプテスト教会、米国長老派教会、米国メソジスト監督派教会、福音派全国教会、南部クリスチャン指導者会議、末日聖徒イエス・キリスト教会、クリスチャン法律協会、米国未登録教会連合、クリスチャン・ボイス社等、合計会員数1億2千万人)が、文師の脱税容疑に対し、信教の自由の侵害、宗教弾圧であると抗議し、「同苦の会運動」を発足。この宗教弾圧に対し、多くの牧師、宗教指導者達が共に立ち上がった。(文鮮明の脱税:アメリカでは宗教団体の資金はその団体の責任者名義で預金するのが慣例となっており、同様にアメリカ統一教会の資金も文鮮明名義で銀行に預金されていた。しかし、この預金に発生した3年間の利子を所得として申告しなかったとして脱税の罪に問われた。そうであれば全ての宗教団体の長や教会の牧師、神父は全て脱税の罪に問われるとして多くの宗教指導者達が立ち上がった。)

1980年代には「日韓トンネル」や中国において自動車工場を作る壮大なプロジェクトに対し、信者達が多額の献金をしたと言われている。 また、文鮮明が長年の悲願であると公言する朝鮮半島の「南北統一」へ向けて、民団朝鮮総連など、在日韓国・朝鮮人への働きかけも行ってきた。

1990年代に入ってからは、アメリカで収監されたことで、日本を初め文鮮明が入国できない国での運動を進めるために、妻の韓鶴子(ハン・ハクジャ)が表舞台に出るようになり、世界各地で講演を行っている。

この頃から、教会活動に専念する献身者の制度が解消され、各自が故郷に戻って定職につき、親族を伝道するように方針転換がなされた(内部では「還故郷」と呼ばれた)。

文鮮明は1990年4月モスクワを訪問、当時のゴルバチョフ大統領と単独会談をし、「世界を核戦争の道に導くか、恒久平和に導くかは大統領の手にかかっています。世界平和の使徒として、世界の大統領として永遠に残る仕事をしなければなりません。絶対に血を流すようなことをしないでください。ソビエト連邦の各共和国の自由独立を防ごうとなさらないでください」と進言し、ソ連国内においても宗教の自由を認めるように進言したと言われている。

1991年12月には核問題で欧米諸国の先制攻撃論が報じられ緊張が高まる中、北朝鮮を訪問。金日成主席(当時)と会談し、朝鮮半島の非核化宣言に合意し、国際原子力機関(IAEA)の核査察に調印するよう進言し、南北離散家族交流や経済支援等を約束した。同年12月末北朝鮮は朝鮮半島非核化共同宣言に調印し、翌年1月国際原子力機関(IAEA)の核査察協定に調印した。北朝鮮の国営ホテルの経営を任されるなど、教団と北朝鮮との関係が深まったため、警察公安からも注視された。また、文鮮明は六者会合実現への後押しもしたと言われている。

教祖が何代も前の先祖の因縁などを見抜いてカップルを決める「合同結婚式」はこの教団独自のものであり、世界平和の基礎となる理想家庭を創るということで、国際カップルを含む多くの男女を結びつけてきた。特に、1992年の「3万組国際合同結婚式」に、歌手で女優の桜田淳子を始め、3人の有名人が参加することが公になり、マスメディアで大きく取り上げられ、統一教会(統一協会)の名前が広く知られることとなった。また、これを機に、教団が批判報道が多くなされた。翌1993年には前年の合同結婚式に参加した山崎浩子が婚約破棄と脱会宣言した。 この1993年から1994年にかけ、信者の士気と結束を高めるため、韓国の「修練所」に信者を集め、文鮮明自ら積極的に「修練会」を行った。

1995年1月から韓国京畿道の清平(チョンピョン)修練所に信者を集め、悪霊を取り除く特別修練会が行われるようになり、難病、奇病、家庭不和に苦しむ人たちの治癒を行うようになったとしている。

1997年アジア通貨危機の影響を受けた韓国においては、韓国の統一グループの企業の多くが倒産したり、経営が危うくなったりした。この時、文鮮明は韓国の経済を救済するために、韓国政府に1000億ウォン(90億円相当)を寄付したといわれている。

また南米に地上天国のモデルを作るとして、韓国を中心にするこれまでの方針を転換し、ブラジルの未開発の広大な土地を買い、ジャルジンに信者たちのための集団村を建て、夫婦で参加する修練会を行ったり、南米各地に女性宣教師を派遣した。

また、文鮮明が再臨主であることを主張する予言の解説本を出したり、霊界の宗教者や政治家達が文鮮明をメシアと崇めているという「霊界通信」本を出している。

2004年からは「人類の家族的な統一にはモンゴル蒙古斑族)が重要な役割を果たす」として、モンゴルに関して運動を進めている。近年は韓国の有名観光地の開発を手がけているほか、2006年6月には韓国で「本殿聖地」という王宮を建てた。学校、病院、老人ホームなどが揃うこの地域一帯に、宗教と人種を超越した『平和村』を作る計画だという。

文鮮明は高齢(1920年2月25日生まれ)になったこともあって、アメリカから韓国に戻り、公の場に出るのは控えてゆくという。 教団は世界各国に進出しているが、日本の信者が最も多いと思われるが、マスメディアによる批判報道(特に『朝日新聞』と『文藝春秋』)や度重なる多額の献金要求の影響もあって、信者数は減少したといわれる。が、一方では、教団全体が経済中心から伝道中心へと活動方針を抜本的に転換したことが功を奏し、一部ではここ数年の間に急激に信徒数を増やしているところもあるようだ。

韓国、日本、アメリカにおいて、それぞれの与党を初めとした保守勢力との関係を築いており、教団関連の団体に著名な政治家や学者や宗教家などが参加したり、協力したりすることも多い。

2008年下半期の金融危機は1997年のアジア通貨危機と同じく韓国の教団関連企業倒産の危機もあったが、ハーバード大経営学部を主席で卒業しアメリカで経営者としての実績を持つ文鮮明の4男、国進により黒字経営を続けており、韓国統一教会発展の推進力になっている。

文鮮明の4男、文国進は2005年より、アメリカから渡韓。独自に経営していた企業の実務的立場を離れ、統一グループ財団の赤字を、わずか2年間で黒字経営に転換させる。近年その経営手腕がマスコミから注目された。この影響により、韓国国内では7男亨進も韓国マスメディアから注目を浴びるようになり、文鮮明の自叙伝『平和を愛する世界人』の販売部数を促進させている。

文鮮明の後継者は、教団の青年団体「World CARP」(世界大学原理研究会)の会長などを務める三男の文顕進(ムン・ヒョンジン)が先頭になり、他の息子たちが、芸術・政治・宗教・経済など様々な分野に分かれて引き継ぐと見られていたが、2008年4月、教団の広報は中心となる宗教分野については7男の文亨進(ムン・ヒョンジン)が後継者になると公表した。

2008年後半より、教団は統一教会信徒の拉致監禁問題の解決に対する活動を全国規模で積極的に行っている。今まで訴訟していなかった事件に関しても積極的に訴訟を開始している。

第3次4年路程が終わる2012年までに全ての摂理を完成させることで、2013年陰暦天暦1月13日グレゴリオ暦では2月22日)には「天一国」が実現するとしている。

信徒数

2006年現在、教団は「世界 190余ヶ国に宣教師を送り、150万名の信者がいる」としている。 過去の年代における信徒数については、(1995年)12月31日現在の文化庁統計によれば、日本の信徒数は47万7000人。

韓国には日本から韓国人との祝福(結婚)等で韓国に来た人だけでも5000人、統一教会の歴史は韓国が一番長く、統一教会信者の子女だけでも10万人は下回らない。韓国全体で数十万人にはなると思われる。アメリカにも一万人はいると言われている。

教団の元広報局長であった副島嘉和1984年の告発手記によれば、「日本に8000人、米国と韓国にそれぞれ2000人、ヨーロッパ全体で2百数10人」と言われ、浅見定雄1987年の著書では「多めに見て日本が数万、米国と韓国が2000から5000、ヨーロッパ全体で1000そこそこ」としている。

教典

聖書』よりもはるかに頻繁に使われる『原理講論』が教典である。 2001年からは教祖が教義の内容をより詳細に語った説教を集めた『天聖経』が原理講論に肉を付けたより詳細な教典となるとされた。2003年6月9日には、教団が出版した教祖の説教集や書籍を勝手に編集・コピーして行おうとする分派活動を防ぐために、発言の出版、翻訳、および氏名・写真の使用等に関する諸権利を韓国の教団(韓国世界平和統一家庭連合)に授権・委任した。

原理原本

文鮮明自身が書き、保管するのに超苦労を重ねてきた原理原本が、他のすべての経典に優って重要である。

マインドコントロール

桜田淳子らと共に合同結婚式に参加した翌年の1993年山崎浩子が、統一教会(統一協会)からの脱会を表明する記者会見で「わたしはマインドコントロールされていました。」と語り、同日、アメリカの元信者であったスティーヴン・ハッサンの書いた『マインドコントロールの恐怖』(恒友出版)が発売されてベストセラーになったことから、日本でも「マインドコントロール」という言葉が広く知られることになった。従来の洗脳は具体的な物理的手段を用いた強制的なものだが、マインドコントロールは物理的手段を用いないので、本人が気づかないうちに取り込まれてしまうというカルトなどによる巧妙な手法を認識される概念として登場した。信者にマインドコントロールをほどこしているという批判に対し、教団側は、「マインドコントロール」という理論は、もともとアメリカで宗教運動から信者を強制的にやめさせるための理論として出現したものであり、非科学的理論であり、反宗教的なイデオロギーに基づいた空論だと反論している。

尚統一教会は、統一教会の教え以外の書籍や情報は見てはいけないという指導は従来から行っておらず、情報のあふれた現代社会において、自由に反対派の情報や他の宗教、その他あらゆる情報を見聞きすることができるのだから、そのような環境の中でマインド・コントロールという考え方を持ち出すことがおかしいと教団は主張している。

マインドコントロールは、学問的には諸説があり、まだ確立された学説とはなっていない。

献金・経済活動

教団には地上天国を実現するために“すべてのものを神に返す”という教えがある。人間も、神の体、すなわち、『神の宮』として創られている。すべてのものを神に返す運動によって天宙平和銀行を創り、五権分立の社会を実現する。 

献金

  • 10分の3献金;一部のキリスト教と同じく収入の10分の1を献金が奨励されて来たが、1990年代頃から収入の10分の3を献金をすべきとされたが、これは地上天国ができた時は、収入の10分の3を税金のような形で納めることにより他のほとんどの税金はいらなくなるということを意味するという信者もいる。
  • 資産家による献金;「篤志家」、「サミット」と呼ばれる部門が資産家を対象にその預金や土地や家を売却代金を献金することを勧めたりした。
  • 1988年から中国に「パンダ・モータース」という自動車工場を作るとして信者に献金が要請される。信者は家、土地まで担保に入れて借金するものまで出た。広東省恵州市に1,500万の土地を借りて10億ドル以上の投資で、年間30万台の自動車を作る計画だったが、この計画は完成しなかったが、地上天国実現のための大きな布石になったと言われている。
  • 2000年には、文鮮明の既存の説教集7冊の合本、『文鮮明御言葉集、「成約時代と理想天国」』と題する本(文鮮明のサインと一冊ごとに番号が付いている)を『聖本』と名づけ、3千万円献金した者にその本を贈り与えるとされ、2800の教会に一冊のノルマが課せられたという。
  • 同様に、2003年にも、文鮮明の既存の説教集9冊の合本を『天聖経』と名づけ、「天の聖書」と位置付け、430万円献金した者にその本を贈り与えるとされた。但し、教団は「『聖本』も『天聖経』も商品ではない」とし、「贈呈にあたっては、献金のみが考慮されているものではありません。」と述べている。
  • 教団側は文鮮明夫婦だけではなく、彼らの13人の子女も、神と人を愛し、万物を愛し、地球環境を愛するという精神から普段の生活は質素倹約で、「統一教会内に自分たち名義の器物を一つももたない」と説明する。 子女たちに譲る財産も、また子女たちが譲り受けた財産もないと言っている。(教団の重要な教えの中に、公金を絶対に私的に使用してはならないという公金の教え、結婚した夫婦が絶対に貞節を守らなければならないという貞節の教え、人の心情を絶対に傷つけてはならないという心情蹂躙の教え、があるという。)

訪問販売活動

これまで、信者たちは「万物復帰」の教えの実践として、様々な経済活動をして来た。草創期はパンの耳を食べて、リヤカーを引いて廃品回収を行っていた。また街頭や個別訪問でボールペン、高麗人参、ハンカチや化学雑巾、コーヒーなど様々な物を販売した。また、数名で「マイクロ隊」と呼ばれる隊を組み、マイクロバスやワンボックスタイプのライトバンに寝泊りしながら、全国を募金集めや珍味やハンカチ等の販売で回った。

1970年代からは献身者を集団でマンション等に住みこませて、経済活動を行う「店舗」と呼ばれる拠点を全国的に作り、印鑑高麗人参 茶(エキス)等を販売した。

無償で教団に奉仕する献身者が大多数だった頃は、委託販売形式を利用して、帳簿上は信者に給料を支払ったことにするが、実際は毎月1万5千円ほどの小遣いだけを渡すというような方法で、組織的な脱税ともみなされかねないことを行ってきた。

  • 蕩減(とうげん)商品;教団では日本の朝鮮統治時代の罪を蕩減(とうげん、清算の意)するためとして、韓国の教団関連企業の商品を日本の「ハッピーワールド」を通して、需要や売れ行きに関係なく、一定数の商品を強制的に仕入れさせてきており、これを「蕩減商品」と呼んだ。蕩減商品には、大理石壷、多宝塔、高麗人参茶(エキス)、「メッコール」等の清涼飲料水工作機械等がある。

霊感商法

元信者によれば、効能を謳って高麗人参を販売していたことが薬事法違反に問われ、販売に行き詰まっていた中で、高麗人参と、美術品としてはあまり売れなかった韓国の大理石壺の売り上げを上げるために、教義を使って売って行こうということになったことが霊感商法の始まりだという。

1980年代初めから、占いなどを切っ掛けに、ゲストを「霊場」と呼ばれる会場に連れて行き、家系図などを鑑定しながら、霊能者を装った信者が聞き出した本人や家族の不幸の原因を先祖の因縁話を使って説明し、先祖が救われるとか、このままでは不幸なるなどと不安を煽り、法外な値段で多宝塔などを買わせてきた。この商法を『しんぶん赤旗』が「霊感商法」と名づけて批判。『朝日ジャーナル』などのマスメディアで度々その被害や手口が報じられた。 国民生活センターや各地の消費生活センター等に多くの苦情が寄せられ、多額の金銭的被害を生んだこの商法は大きな社会問題となった。教団の関連施設などに、警察の捜査が及び、信者は証拠書類が渡らないように、逃げ回ったという。

また「霊感商法」に関係した各地の販社は、設立後2〜3年で次々と解散し、遠隔地に住所移転したり、社名を変えたりした。また、この霊感商法の最盛期には「TV100」と言って、月に100億円を献金するようにとの文鮮明の指示があり、実際に何度か目標額を達成し、そのお金を韓国に送金していたという。「TV100」は“Total Victory”の略と言われる。当時の経済の責任者であった古田元男(「ハッピーワールド」元社長)は文鮮明からの指示ではなかったが、 小柳定夫 副社長(当時)と相談し、文鮮明が言ったかのように誇張して話したことがあると語っている(「霊感商法」問題取材班 『霊感商法の真相』p40 世界日報社 1996年8月16日)。

この「霊感商法」問題は国会でも、幾度も取り上げられたが、警察庁の刑事局保安部生活経済課長は「この種の商法というのは人の弱みといいますか、人の不安につけ込むというもので、悪質商法の中でも最も悪質なものの一つということで、全国の警察に繰り返し厳しく取り締まるように指示をしておるところでございます。」と答弁した。

「霊感商法」が社会問題化した1980年後半には、「霊石愛好会」の主催で「霊感商法」を擁護する集会を各地で開いた。そこに当時の国会議員らが祝電を寄せたことが批判を受けた。 教団側は信者に向けては、日本を共産主義の間接侵略から守るために国際勝共連合が推進してきたスパイ防止法制定運動を攻撃するために、日本共産党および日本社会党が「スパイ防止法」制定運動の資金源が統一教会(統一協会)であると誤認し、教会攻撃のために引き起したのが“霊感商法問題”だと説明した。 一方、世間に向けては「教会一切の収益事業はおこなっておらず、教会員の献金によってのみ運営されています。…個人の職業に対しては一切関与するものではありません。ゆえにいかなる商法とも教会は関連ありません。」と教団の関与を全面否定してきた。また、民事裁判では、「“しあわせサークル連絡協議会”という統一教会とは法律上も活動も別個である信者による組織が行ったのであって、教団は、信者がいかなる伝道活動をしているか、いかなる企業を経営し経済活動を行っているかなどについて知る立場にはない」などと主張してきた(平成14年(2002年)10月28日 新潟地方裁判所)。

また、『中和新聞』1996年12月15日号での「霊感商法問題に関する統一教会の見解」によれば、販売の際に使用したセールストークは、教団の教義とは似て非なるものであり、家系図や、手相姓名判断、四柱推命などの易学因果応報などは仏教的な教えであり、聖書の教えを根本とする教団の教えではないとして、教義との関連を否定したが、「ハッピーワールド販売促進資料」と題する霊感商法の販売マニュアルには壺の型は文鮮明自ら考案した作品であり、御言を受け入れていない人達の救いのための条件物として作られたと説明しており、教会活動の一環として霊感商法が行われていたことの証拠となった。

1994年7月12日、日本社会党(当時)の北村哲男が「霊感商法」などの反社会的な事を行う統一教会に対する政府の見解を質す質問主意書を政府に提出したが、政府は村山富市首相名で「宗教法人法第七十九条は、宗教法人が行う公益事業以外の事業の停止命令について規定しているが、統一協会の所轄庁である東京都知事は、いわゆる霊感商法については、現在、統一協会の規則には事業として記載されておらず、また、統一協会が行っている事業であるという確証もないことから、現在のところ、同条を適用することは基本的に困難であると判断している。」と回答した。しかし、民事訴訟では霊感のない信者を“徳の高い霊能者の先生”に仕立てて売るための詳細なマニュアルがあったことや、「連絡協議会」の存在を教団が主張し始めたのは、民事訴訟が提起されてから7年も経ってからであり、証人に立った教団側の信者もその存在を知らなかったと証言し、裁判所からも当時の「連絡協議会」の存在を示す実体もないと認定された。

訴訟においては、1984年1月12日、青森地方裁判所が、大理石の壺を販売した信者2名の販売行為が恐喝罪に当たるとして懲役2年6月(執行猶予5年)の判決を下したが、教団事体の責任は問われなかった。その後、教団は1990年頃までは弁護士からクレームがあれば、お金を払って和解していた。1993年(平成6年)福岡地裁の訴訟において、原告は教団から有利な和解条件を持ちかけられたが、裁判で決着を着けなければという思いから和解を拒否、同年5月27日、福岡地裁は詳細な事実認定に基づき、実質上、統一教会(統一教会)の指揮監督によって霊感商法を初めとした経済活動が組織的、計画的に行われたとして統一教会(統一協会)の使用者責任を認定し、損害賠償を命じた。これは統一教会(統一教会)の責任を認めた初の判決となった。これ以降、教団の責任を認める判決が相次ぐようになり、霊感商法以外の問題も含めた統一教会(統一協会)の使用者責任を認めた判決は2003年11月5日時点で15件ある。

「霊感商法」が社会問題化し、東京都から指導を受け、通商産業省から事情聴取を受けた以降は表向き販売を中止したものの、その後も「霊石愛好会」や「天地正教」などを通じて販売は続けれられて来た。近年は大理石壺を「天運石」と称し、家の中の悪霊を吸いとってくれると言って、再び信者に買わせるようになり、その壷を韓国京畿道の清平(チョンピョン)修練苑に持って行き、有料で解怨してもらうように勧めている。2008年にも長野県松本市などで、2009年にも大阪市和歌山市などで、印鑑販売の霊感商法を行ったことで複数の逮捕者が出ている。

なお、2009年6月11日の印鑑販売をめぐる特定商取引法違反事件では渋谷教会に対する家宅捜索に警視庁公安部が乗り出した。またそれを遡る5月27日福岡県の事件においては福岡県警公安一課が立件した。以前はこの種の経済事件には警視庁や各県警の生活安全部が担当していたが、オウム事件以降、カルト宗教団体に対しては公安部が担当している。

その後、2009年7月13日に、徳野英治会長が、「道義的責任」を理由に、会長職を辞職し、「統一教会は、一切信徒の経済・販売活動に指示していない」事を表明。現在は、梶栗玄太郎会長が会長職を勤めている。

定着経済

「霊感商法」が社会的な問題になった1990年頃から、信者達は着物、貴金属、絵画、毛皮、高麗人参等の商品を展示会形式で販売するようになった。訪問販売や霊感商法などのその場限りの販売と違い、専門の会社の主催で定期的に販売を行なうため、「定着経済」と呼ぶ。また、これらの販売方法は「霊感商法」で行った方法を踏襲している。ゲストを連れて行った信者は商品を説明するトーカー(アドバイザー)の協力者となり、トーカーは席を外し、「タワー長」と呼ばれる現場の指揮者にゲストの状況を報告し、指示を仰ぐ。既に教団の教えを学んでいる信者も展示会に動員され、「この〇〇を買えばメシア(文鮮明)を受け入れることになる」「この〇〇を買えばあなたも家族も救われる」等と「霊感商法」と同様の説得をして購入させたりもした。

関連企業や関連団体

詳しくは統一教会関連の企業と団体を参照 教団は多くの企業を擁しているので、韓国では財閥の一つとみなされ、文鮮明は事業家としてのイメージが強いという。韓国では、系列企業は「統一グループ」と呼ばれており、文鮮明の親族がそれらの企業の幹部になっていることもある。日本では一時、キリスト教と称しながら「霊石愛好会」や「天地正教」といった仏教色の強い団体までも作っていた。近年はNGO、NPOなどのボランティア団体を通しての浸透を図っている。また学術的な団体も多く、それらがスポンサーになった会議などのはマスメディア界、政界、学会の著名人が参加する。関連団体のサイトは[ttp://uc8.info/ 統一教会 情報リンク集!]より確認できる。

2007年4月1日には、パラグアイのカアグアスにて、教会関連の土地管理会社の日本人社長・秘書2人を含む4人が誘拐され、身代金13万8千ドルを教会が支払い、19日後に全員解放された。

世界各地での事業

  • 日本:
日韓トンネル
  • 韓国
釜山ボムネッコル
天宙清平修練苑
麗水(ヨス)市(3万6千の土地に超大型観光団地を建設を計画中)
  • 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
定州平和公園
ピョンファ自動車
  • 中国: 自動車工場の建設
  • ブラジル
新希望農場
  • アメリカ合衆国
トゥルー・ワールド・フーズ(米国における鮮魚流通の大手)
各地で日本食レストランを経営
ワシントン・タイムズ
UPI通信社
  • 世界
「国際ハイウェイ」
「ワールド・ピース・キング・ブリッジ―トンネル構想」(米国とロシアを隔てるベーリング海峡海底トンネルと橋を建設する構想)

合同結婚式

詳しくは合同結婚式を参照

合同結婚式(ごうどうけっこんしき)は教団が主催する結婚式である。正式名称は「国際合同祝福結婚式」であるが、信者の間では「祝福」と呼ばれることが多い。教祖である文鮮明は人の性格、運命、長所、短所及び血統的因縁や課題まで見抜く力を持っているとされており、夫婦となるに相応しい男女を推薦するという。それは当人の欠点を補う相手であることに加え、先祖からの因縁や問題のすべてを清算できるという点で、最も相応しい相手を推薦するという。

草創期は目の前で教祖がカップルを指名したり、信者に希望する相手を書かせたりもしていた。1988年頃から参加人数が多くなったこともあって、写真を見てカップルを決めるようになった。教祖の推薦は断ることも許されている。

また、信者が親などに連れ戻されたときに、夫婦として「人身保護請求」できる権利を得るためとか、外国に入国し長期間滞在するために、夫婦としての生活の実態がないのに便宜的に入籍届けを出させることへの批判もあり、元信者が「婚姻の無効」を求めた訴訟で、原告の訴えの多くが認められている。

信者同士が結ばれる本来の祝福の他に既婚者で祝福を受けた場合を「既成祝福」、夫婦いずれかが死亡している場合を「独身祝福」と言う(1997年までは伴侶が絶対善霊ではなかった為と言われ、現在は「霊肉界祝福」と言う)。また、一時は伴侶に先立たれた信者を他の信者と再婚させ、夫婦として祝福する「慰労祝福」というものもあったが、文鮮明は本来の原則にはないものとして、行わなくなった。

近年は見合い形式で伴侶を捜して祝福を受けるようになっている、又、信者の子供達は親同士の計らいで結婚させることができるようになっている。このことは既に祝福を受けた信者に限られているが、ほとんどの信者が祝福を受けるようになるので、ほとんどの信者の子供達が対象である。

1960年に第1回の合同結婚式が行われて以来、教団の発表では参加者数は回数を重ねるごとに増えているようだが、1997年以降からの祝福は参加条件が次第に緩くなった。必須条件とされた事前の7日間断食や21日修練会への参加や「霊の子」(自分が伝道した信者)を一定数持つこと、3年以上の献身生活(出家)、女性の年齢が23歳以上等の従来の条件が緩和(現在は18歳以上(高卒以上で親権者の同意必要)、但し家庭出発できるのは33歳以上)が緩和、ないし撤廃され、一度破局した者の再参加や既婚者で相手の十分な了承なく一人で参加することや、教会員にならなくても、教祖をメシアとして受け入れれば、他の信仰を持ったままでの参加も許されるようになった。また参加せずとも、教義上飲むことが必須であるとされる「聖酒」を意味も知らずに飲まされたり、「聖酒」をキャンデーにしたものを舐めただけの人までカウントされたりしたこともあるため、実質上の数は不明である。

教団の機関誌、『中和新聞』1992年9月12日号では「法律的な意味で婚姻届を出した祝福家庭の離婚率は0.7 %前後です。これは社会一般の離婚率から考えると比較にならないほど低い数字であります」と述べている。

  • 文鮮明の六男、栄進(ヨンジン)の死因が自殺だと報じられたときも、霊界通信で、本人がホテルのバルコニーで体操していたとき、誤って転落したと事故の状況を説明した。
  • 1998年からは、信者向けの霊界通信の本が頻繁に出版されるようになった。金英順(キム・ヨンスン)という女性信者に、亡くなった李相軒(イ・サンホン、元医者で、教団の教えを哲学的に表した「統一思想」や、共産主義の誤りを批判した「勝共理論」を確立)が現れて、霊界の様子を伝えているという。統一教会(統一協会)の内部信者向けに出版されている。
  • 悪の本体である天使長ルーシェルがこれまでの罪を認め、神と「真の父母」文鮮明と人類に謝罪したという話や、霊界のイエス・キリスト、釈迦マホメット孔子の四大聖人を初め、キリスト教、儒教仏教イスラム教ヒンドゥー教の聖徒たちのみならず、マルクスのような思想家、レーニンスターリンヒットラーなどの独裁者たちまで、文鮮明をメシアとして受け入れ、絶対的に従って行くことを決意しているというの霊界からの報告などがなされている。
  • 2002年7月4日にはそのような、霊界のイエスや釈迦マホメットなどの5大宗教団体の代表たちが文鮮明を再臨のメシアとして受け入れ、従って行くことを決議したという決議宣布文を『ワシントン・タイムズ』を初め主要日刊新聞に全面広告して、ハワイアラスカを含む全米50州の約1500万世帯に直接配逹した。

予言書、『鄭鑑録』(チョン・カムノク)にはメシア思想があることに言及しているが、それについてはほとんど語られて来なかったが、1994年には、 南師古(ナムサゴ)の書いた韓国の別の予言書、『格庵遺録』に文が救世主だという予言があるとして取り上げ、高坂満津留という作家による『ついに解明された1999年』(光言社)、翌1995年には『大予言が証す救世主 奇跡の1999年』、という本を出版した。文鮮明は信者に、この本を親兄弟、知人に配って伝道せよと指示した。

政治に関する活動

教団は1968年に韓国と日本で「国際勝共連合」(通称:「勝共連合」)という政治団体を組織。共産主義・社会主義はサタンの思想で神と人類の敵であるとし、それに代わる「勝共思想」の普及を第一の運動方針に掲げる。この思想を教育された者は、共産党と、その“系列”と看做した団体や左寄りに映る人物を反射的に攻撃する傾向がある。その他、スパイ防止法・青少年健全育成法の制定促進、憲法教育基本法改正の推進、歴史や性教育を含む教科書問題などに取り組む一方、夫婦別姓ジェンダーフリー人権擁護法・外国人参政権には反対するなど保守的なスタンスをとる。

勝共連合日本支部の設立には岸信介元首相の他、右翼活動家の笹川良一児玉誉士夫なども加わり、反共を共通理念とする多くの右翼勢力が同連合と協調したとされる。他方、天皇を軽視する姿勢や他民族を選民とする教義などに疑念を抱き警鐘を鳴らす団体もあった。

殊に、自民党の韓国ロビー・台湾ロビーと見られる政治家と密接な関係があると言われ、福田赳夫安倍晋太郎などの領袖が文鮮明の来日公演に臨席して賛意を表したり、同僚議員を勝共連合と繋げるなど尽力し、教団の支援を受ける教育関係の議員連盟も設置された。1989年に東京で開かれた「勝共推進議員の集い」には、自民党・民社党を中心とする国会議員232名が一堂に会している。

選挙の際は信者を運動員として派遣し、主にタカ派候補を積極的に支援することで知られ、1986年のダブル選挙では教団が後押した候補150人のうち134人を当選させ、後にその全員が教義セミナーを受講したと勝共連合の機関紙が伝えた。反面、対立候補に対しては中傷ビラの配布やポスター貼付に留まらず、過去には街宣車を使ったネガティブキャンペーンが行われたこともある。

秘書として議員の元へ送り込まれた信者も多く、中には1議員が9人の信者を起用していた例もあるなど、その数は衆参両院を合せると三桁に上るとみられている。2000年8月、外国人の入国に関わる権限を握る法務大臣が信者(1800双教団の行う「合同結婚式」は、その式に参加するカップル数を頭に添え、それぞれ「6500組合同結婚式」「3万組国際合同結婚式」などと命名され、信者は自分が挙式したときの参加人数により、「6500組(または6500双)」「3万組(または3万双)」などと呼ばれる。)を秘書官に任用していると週刊誌で報じられ、国会で野党議員の追及を受けた。1992年3月には、米国で受けた実刑判決(1984年)により日本へ入国できない立場の文鮮明が、国会議員複数名の法務省への働きかけで特別に許可され14年ぶりの来日を果たし、各地で説教している。

また、これらの秘書が地方または国政選挙に立候補するケースもあり、霊感商法でトーカー(霊能師)を担当する元女性秘書(6000双)は衆院選候補に転身し自民党の公認を受けた。教団上層部からは、「まず秘書として食い込め。食い込んだら議員の秘密を握れ。次に自らが議員になれ」との指示が下されているという。

関連団体や系列企業を介しての資金提供も行われ、1987年には複数の議員が霊感商法で知られる企業から多額の政治献金を受けていたとが表面化しており、文鮮明来日の背後でも巨額のカネが動いたとの指摘もある。これらの事情から自民党内では教団への指揮監督はタブーとされる。

韓国においては、反共法を制定し、北朝鮮を初めとする共産主義勢力との対決姿勢を取っていた朴正煕政権下で強い庇護を受け勢力を拡大させたと言われる。後に教団ナンバー2となる朴普熈を始めとした韓国軍の高級将校も入教しており、系列企業の「統一産業」が小銃工場を建設する際に、文鮮明の側近となった朴普熈と朴正煕大統領が事業支援について相談したことや、公務員教育が国際勝共連合で行われたことなどが報じられた。政界への資金提供の他、KCIA(韓国中央情報部、現・国家情報院)との関係も指摘されるが教団は否定する。

後年は「世界平和統一家庭」を拠点に政界進出を企図してきた。2007年8月には郭錠煥を総裁に据え「世界平和統一家庭」を結党し、翌2008年4月の18代総選挙で比例区の13人に加え、地方区(選挙区)にも全245区へ候補を立てて臨んだが全員落選に終わっている。更に、比例区で候補を擁立したにも拘らず政党得票率が全有効票の2%に届かなかった為、選挙法の規定により政党登録を抹消されることとなった。対して、同選挙では「統一協会対策協議会」を中心に全キリスト教派が連携し、統一家庭党候補への落選運動も展開された。

  • 中山成彬文科相が支部長を務める自民党宮崎県第1選挙区支部が、2003年11月に世界平和連合(FWP)から100万円の政治献金を受け取っていたことが発覚し返還を決めている。該議員の地元会合にも同連合のメンバーが出席している。
  • 三原朝彦議員が支部長を務める自民党福岡県第9選挙区支部が、2003年11月の衆議院選挙直前に世界平和連合から政治献金を受け取る。
  • 2006年5月に国内12カ所で開催された「天宙平和連合(UPF)‐祖国郷土還元日本大会」へ、現役閣僚を始め多数の政治家が祝電を贈ったことが露見。「安倍さんも応援している」と信者が家族を説き伏せた例もあり、教団の活動に正当性を与える行為だとして非難された。尚、大会の模様は教会(協会)公式ウェブサイトより動画配信された。
  • 2007年、千葉県流山市議選にて、統一教会関係者が民主党公認で出馬したことが伝えられた
  • 霊感商法で初の懲役判決となった2009年の「新世」事件では、教団本部への捜索を阻止するために複数の自民党議員が司法当局に圧力をかけている。
  • 2009年9月、衆議院選挙萩原仁を支援した教会(協会)関係者が公職選挙法違反で逮捕された。
  • 参議院選挙を間近に控えた2010年5月、 山谷えり子への選挙支援ならびに有田芳生への落選運動を通達する教会(協会)の内部文書が流出し物議を醸した。翌月には信者による有田に対する選挙妨害が行われている
  • アメリカに進出してからは、アメリカの保守政党である共和党を支持し『ワシントン・タイムズ』の創刊に携わるほか、レーガンブッシュ親子などを支援し、関係を築いてきた。
  • フランスでは、極右政党を率いるジャン=マリー・ルペンを資金面からも人材面からも応援した。
  • ワヒド・元インドネシア大統領も教団関連のイベントに参加するなどしている。「国際的な平和活動のために、これらの著名人やいろいろな宗教界の牧師たちとの交流や対話を行なっている」と教団側は説明している。

詳しくは#統一教会(統一協会)をめぐる人物を参照

他の教団との関係

教団はすべての宗教の統一を目指しており、それに向けて他の宗教や教団に対して働きかけてきた。また表の活動とは別に、「教団復帰」と言って、他の教団に信者を潜り込ませ、そのトップや幹部を自分達の教団の方針に沿うように働きかけているという元信者の証言があるが、真偽は不明。

  • キリスト教
  • 韓国のキリスト教会
1974年には『東亜日報』統一教会(統一協会)が文鮮明の聖なる血を受けて血分けをしなければならないという混淫の主張をしているという意見広告を出した。
  • 日本のキリスト教会
1974年10月、日本の福音派の機関である日本福音同盟は統一教会(統一協会)が異端である(キリスト教ではない)とする声明を発表した。
ウィリアム・ウッド宣教師は統一教会(統一協会)に反対する正統的立場からの専門家として知られている。
  • アメリカのキリスト教会
1980年代に、キリスト教会の連合体は統一教会(統一協会)はキリスト教ではないと決定した。
日本の宣教を任された西川勝(崔奉春)が接触。立正佼成会は対立する創価学会対策から統一教会との連携を模索。当時の会長、庭野日敬1963年、青年部員を統一教会の修錬会に参加させた結果、次期会長候補とされていた久保木修己を初めとする50名ほどの会員が統一教会に転じた。久保木は統一教会の初代会長となったほか、幹部には立正佼成会出身の者が比較的多い。立正佼成会は占いと霊能によって教勢を伸ばしたが、統一教会(統一協会)も同様の手法を使う。
70年安保闘争の時代に、互いの集会に参加したりするような関係であり、谷口雅春は「勝共連合は朝鮮の文鮮明と称する予言者を八紘一宇の世界の中心者とする運動だったので私たちは今まで協力できなかったが、(中略)日本中心の運動にすることが出来れば協力してもよいのである」と述べている。

教団をめぐる裁判

統一教会(統一協会)に対して起こされた裁判は2006年6月現在、1986年の初の提訴以来、100件を越えており、このうち83件で和解。11件で統一教会(統一協会)側の責任を認める判決が最高裁で確定している。

教団側勝訴の判例

統一教会(統一協会)信者(30歳男性)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和55年(1980年)人ナ第1号、東京高裁・杉田洋一裁判長}
統一教会(統一協会)信者(26歳女性)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、高村正彦弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和55年(1980年)}人ナ第1号、高松高裁・越智傳裁判長}
統一教会(統一協会)信者(25歳女性、小学校教員)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、上野忠義弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和56年(1981年)人第1号、宇都宮地裁・多賀谷雄一裁判長}
  • 強制改宗の違法性
2002年2月20日 統一教会(統一協会)の信者(31歳女性)に対して、信者の両親が信者を監禁、脱会を強要した事件において、「逮捕・監禁」は不法行為であり、脱会の説得に協力した牧師も連帯して責任を負うとの判決。被告は上告はせず判決が確定した。(広島高裁・宮本定雄裁判長)
  • 献金の正当性
2003年11月27日 名古屋高裁、統一教会(統一協会)の献金の正当性を認め、原告の献金返還請求を棄却。
教団の関連する「天地正教」の導師部長を勤めていた元信者が1000万円の献金について、「信者の因縁話によって畏怖して献金したもの」として、「天地正教」への貸付など、約3700万円の損害賠償を求めた事案。
(2001年)2月28日、名古屋地裁は「自主的に献金した」、「統一教会(統一協会)の信者等における脅迫等、違法な働きかけは認められない」として原告の訴えを退けた。1000万円という額についても「宗教活動として許された範囲を遥かに逸脱した違法なものとまでは言えない」と判断した。原告が控訴した名古屋高裁も一審判決を支持。2004年10月22日、最高裁への上告も棄却され、統一教会(統一協会)側が全面勝訴した。

教団側敗訴の判例

  • 献金勧誘行為の違法性
1993年(平成6年)5月27日、福岡地方裁判所で、統一教会(統一協会)の「霊感商法」に対する損害賠償請求訴訟で、全国で初めて統一教会(統一協会)の関与と賠償責任を認め、3670万円の支払いを命じる判決が出た。信者らは2人の未亡人に対し、亡くなった夫に関して、先祖の因縁話で、不安を煽り、執拗に迫って高額の献金をさせたり、弥勒像等を購入させた。福岡地裁は「献金勧誘行為は、布教活動の一環として行われたものであったとしても、その目的、方法、結果において到底社会的に相当な行為であるということはできず、違法であり、民法709条の不法行為に該当する」、「信者らと教団は実質的な指揮監督関係にあり、信者が献金勧誘行為が教団の教義である万物復帰の実践として理解していたことや献金がいずれも教団に帰属していることなどからみて、原告らに対して不法行為責任を負う」と判断し、教団に使用者責任を認め、献金相当額と慰謝料の支払いを命じた(『判例時報』1526号121頁 平成8年(1996年)2月19日福岡高裁控訴棄却 平成9年(1997年)9月18日最高裁上告棄却)。
元信者が、教団による違法な入信勧誘・教化行為によって損害を受けたとして、不法行為に基づく損害賠償を教団に求めた事案で、2002年10月28日、新潟地裁は「信者らもしくは信徒会の伝道・経済行為は、被告(統一教会)が経済的な利益を追求するという目的のもとになされ」、「信者らが、文鮮明の配下というべき教団の幹部らの意を受けてその指揮・命令の下に実行された結果と認められ、(中略)原告らに対する、法人としての教団自身の故意に基づく違法行為であると評価することができる。」として民法709条に基づいて、その違法行為による損害を賠償する責任を負うと判断された(平成14年(2002年)10月28 新潟地方裁判所 平成元年(ワ)374号、平成2年(ワ)389号、平成4年(ワ)389、平成5年(ワ)445 損害賠償請求)。
信者らの違法な献金勧誘行為により、原告らが損害を被ったとして、教団に対して、民法709条又は715条に基づき損害賠償を請求した事案で、1997年4月16日、奈良地方裁判所は教団の献金勧誘のシステムの特徴として、
  1. 「万物復帰の教えの下、個々の対象者からその保有財産の大部分を供出させ、被告全体としても多額の資金を集めることを目的とするものである」、
  2. 「対象者がある一定レベルに達成するまで、被告の万物復帰の教えはもちろんのこと、被告や文鮮明のことを秘匿あるいは明確に否定したまま、対象者の悩みに応じた因縁話等をして不安感を生じさせあるいは助長させる方法をとっている」
  3. 「各種マニュアル等により勧誘方法が全国的に共通していて、組織的に行われている」
教団への入会ないしは献金等については「入会ないしは献金等をしようとする者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げ、また、被告への入会ないしは献金等をさせるため、対象者を威迫して困惑させるものであり、方法として不公正なもの」と判断し、教団の献金勧誘のシステムは、「不公正な方法を用い、教化の過程を経てその批判力を衰退させて献金させるものといわざるを得ず、違法と評価するのが相当である。」として教団に原告2人に対する損害賠償を命じた(平成9年(1997年)4月16日判決言渡 平成9年4月16日判決原本交付 裁判所書記官 平成6年(1994年)●第二〇七号 損害賠償請求事件)。
  • 準禁治産者申し立て事件
教団に献金を続ける信者に対し、親族が家庭裁判所に準禁治産者、保佐人選任の申し立てを行い、審判前に保全処分が認められた事例がある。しかし、2000年4月の「禁治産・準禁治産制度」から成年後見制度への制度変更により、準禁治産の事由に含まれていた「浪費者」を制度の対象から除外したため、このような申し立てはできなくなった。
元信者らが、教団又はその信者らの違法な詐欺的・脅迫的な勧誘・教化行為によって入信させられ、その後、長期間被告の献身信者として過酷な生活をさせられて信教の自由を侵害され、また、その過程で献金及び合同結婚式への参加を強要されて財産権及び婚姻の自由を侵害されたとして、不法行為(民法709条又は715条)に基づき慰謝料等の支払を求めた事案。
東京地裁は、信者らの伝道活動は、「相手方を畏怖困惑させ、それによって被告の教義からの離脱を困難にすることに主眼を置いていたもの」、「献金及び無償で物品販売活動等を行わせること及びそのような行為をする被告の信者を再生産することによって、経済的利益を上げることもその目的であった」、「(先祖の因縁や霊界等の)非科学的な超自然的な現象についての話は、科学的・論理的な検証が不可能であって、個人差はあっても、これを聞いて漠然とした不安を抱くことになる者がいるのは明らかであり、その上で自分や家族の具体的な事実と結び付けられると、恐怖を感じることは避けられない」「教義に深入りさせる方法としては、相当性を欠くものといわざるを得ない。」として「原告らに対する勧誘・教化行為は、不当な目的に基づく社会的相当性を逸脱した方法で、結果として原告らの自由意思を阻害しているものといわざるを得ず、原告らの信教の自由を侵害する違法な行為というべきである。」と判断した。また、合同結婚式への参加を勧めた行為についても、「信者の間では、合同結婚式への参加を断る自由があるという理解はなかったものと認められる。」として、「婚姻の自由を侵害する違法があるもの」とした。
損害については「過酷な経済活動や伝道活動に従事して労役の提供を余儀なくされ、さらに、献身するために勤務先の会社をやめることを余儀なくされるなど献身期間中、従前の人間関係や社会生活等を破壊された。」「文鮮明の選んだ相対者を断ると、自己や先祖の救いの道が閉ざされ、病気や怪我をしたり又は死んだりすることになるとか、死後地獄に行くことになるなどと思って苦悩し、相当の精神的苦痛を被った。」などとして、教団に対し原告の3人に対する慰謝料の支払いを命じた。被告の高裁への控訴、最高裁への上告はいずれも棄却された(平成14年(2002年)8月21日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成11年(1999年)(ワ)第18400号 平成15年(2003年)5月13日口頭弁論終結)。
  • 婚姻の無効性
1993年10月7日 福岡地裁で、統一教会(統一協会)の合同結婚式に参加し、教会の指示により婚姻届をした日本人女性が婚姻意思の不存在を理由とした日本人男性との婚姻の無効の訴えが認められる。信者の福岡高裁への控訴・最高裁への上告共に棄却(1995年10月31日、1996年4月25日。婚姻届をした後に脱会した元信者による婚姻無効の確認を求める裁判は、 1999年4月時点で、約50件程がその主張通り認められている。
  • 強制改宗をめぐる記事の信憑性
教団自身が敗訴した例ではないが、カルト問題の第一人者である東北学院大学名誉教授の浅見定雄が、宗教ジャーナリスト室生忠が浅見を「強制説得」を指導する「全国霊感商法対策協議会」の「請負人」かつ「世話人」であると書いた記事を名誉毀損に当たるとして、記事を書いた室生とその原稿を掲載した『創』の編集長、篠田博之を訴えた。
2001年12月17日、東京地裁は、室生側に対し、「記載される個人に対する直接の取材と言う基本的ルールを無視し、これを省略して一方当事者の立場にある統一協会からの資料提供に全面依存し、その結果、事実の記載を誤るべくして誤ったものである」として金90万円の損害賠償と『創』誌への謝罪広告の掲載を命じた。2審でも浅見側が勝訴し、室生側の最高裁へ上告は棄却された。強制改宗に関する教団の主張が信憑性に問題があるプロパガンダ的なものであることが明らかになる。
  • 統一教会(統一協会)の現役信者夫婦が、日本人妻の両親と説得に関わった牧師に対し、人格権に基づき、拉致監禁、棄教強要などの差し止めと、牧師に対し約1330万円の損害賠償を求めた訴訟。
2002年3月8日 東京地裁は原告の請求を退け、牧師も両親も全面勝訴した。原告が主張した「S牧師は違法行為の共謀をした」、「原告が監禁されていることを容認した」、「説得を受けた部屋が統一教会(統一協会)信者の監禁場所として常用されていた」、「日本基督教団が統一教会(統一協会)信者を脱会させるために拉致・監禁を組織的に行っている」などがすべて否認された。S牧師が暴言的、脅迫的発言や暴行を行ったという訴えに対しては「穏当性を欠くものであったが、損害賠償請求権を発生させるほどの違法性はない」と判断した。2002年12月26日、高裁への控訴、同年6月27日、最高裁への上告は共に棄却され、被告のS牧師と両親の勝訴が確定した。

和解の事例