プラーガ

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プラーガとは、カプコンのテレビゲームバイオハザード4に登場する架空の寄生生物である。作中の邪教集団「ロス・イルミナドス」が、この生物を使った生体兵器の開発などを行っていた。単独では生存できず、宿主を無くしたプラーガは短時間で死に至る。ロス・イルミナドスの紋章は、この生物がモチーフとなっている。その名前はスペイン語で「疫病」を意味する「Las Plagas」に由来する。

封印と解放

かつて、このゲームの舞台である地域を統治していたサラザール家が、城の地下で厳重に封印していたが、ロス・イルミナドス教団の教祖であるオズムンド・サドラーに篭絡された8代目城主のラモン・サラザールが、再び解き放った。

しかし、前述の通りプラーガは宿主がいないと生存できないため、ミイラ化したプラーガが発掘された当初は復活は不可能と思われていた。が、プラーガの幼生が微細な胞子となって生存しており、発掘に駆り出されていた村人がそれを吸い込んだことにより復活した。

プラーガの特徴

プラーガには、以下のような3つの特徴がある。

  • 宿主をコントロールできる。また、宿主の知能を保ち、他のガナードと意思の伝達をすることも可能。
  • 真社会性生物である。ようするに、アリやハチなど、社会を形成していることを示す。
  • 多様な生物に寄生できる。この能力により、異生物の間でも、相互にリンクをすることができる。

プラーガに寄生されると主導権はプラーガに移り、凶暴になるほか常人離れした怪力を持つようになり、寄生されていない外部の者を執拗に襲うようになる。また、生命力もケタ違いに高くなり、場合によっては頭部へのライフル弾の直撃にすら耐えうる。プラーガの卵を直接植えつけられた場合、成長しながら宿主の体をむしばみ、ゆっくりと症状が進んでいく。

夜間や洞窟等光の少ない時・場所で活発になりたまに宿主の体を食い破り背骨(中枢神経)と合体した姿で外に出る事もある。この事は閃光手榴弾の閃光で即死することから分かる。(ミニゲームは遊戯仕様の為、例外)

また、エイダ・ウォンの所属する「組織」の研究によると、音を感知する器官らしきものを体内に保有しており、ロス・イルミナドス教団の教祖やサラザール家の領主は、寄生体のみが感知できる特殊な音響や音波の類を用いてプラーガを操っているのではと推測されている。例として、レオンと交戦中だった村人のガナードが、教会の鐘の音(「the another order」でエイダが鳴らしたことが判明)を聞いた途端、戦闘を放棄している。

プラーガに寄生された生物たち

詳しくは、バイオハザード4の項を参照されたい。

ガナード

プラーガに寄生され、自我を失った人間が、ガナードである。ガナードは、宿主の知能や知識はもとより社会基盤そのものをそのまま受け継いでいるが、外部の者に対しては執拗なまでに殺意を向ける。

支配者

ガナードには、寄生されると自我を失うものだけでなく、寄生されても自我がそのまま残る「支配者側のガナード」も存在する。これを自らの体に宿すことにより、他のガナードを、思うがままに動かすことができるようになる。プラーガの力を解放すれば、さらに自身の体を強化することも可能である。

ビトレス・メンデス
村の村長。ロス・イルミナドス教団の神父も務める。プラーガにより、鉄製のドアノブをいとも簡単にひねり潰す怪力を持つ。『4』で言うタイラントの様な存在か。
ラモン・サラザール
前述の、サラザール家の8代目。プラーガを解き放った張本人。側近とともにプラーガの母体と融合しレオンを喰いとめようとするが、返り討ちにされる。
ジャック・クラウザー
かつてレオンの同僚だった男。プラーガの力で驚異的な身体能力を得ている。
オズムンド・サドラー
ロス・イルミナドス教団の教祖。劇中では、サドラーがアシュリーを操ったり、プラーガに何らかの力を送ってレオンを攻撃する場面もある。解放した姿は、四本の脚と強力な顎を備えた化け物となる。今作の最終ボスでもある。あるルートでは、人間形態と遭遇する。

生体兵器

プラーガを利用し、ロス・イルミナドス教団はあらゆる異形の生物を作りだした。その中から、特に異色なものを掲載しておく。

デルラゴ
体長20メートルを超える水棲巨大生物。その正体は、プラーガを利用した応用実験のサンプルとなったオオサンショウウオである。奇生体の成長が進むに連れて巨大化し、さらには魚類を思わせるような水中での運動能力をも獲得。しかしながら、プラーガを介した行動のコントロールができなかったため、村の湖に封印されていた。
エルヒガンテ
奇生体の応用実験によって生まれた巨人。プラーガを寄生させた人間に遺伝子操作を行い巨大化させたもので、体長は常人の4倍ほどもある。その巨体は驚異的なパワーを持つだけでなく耐久性にも優れ、通常の銃弾など意にも介さない。しかし、デルラゴと同様、制御が難しいという欠陥を改善できなかったため、ごく少数が生み出された。
ガラドール
プラーガを利用した肉体強化の実験体。優れた身体能力を得ることに成功したが、目につくもの全てを無差別に襲うほど凶暴化してしまったため、やむなく瞼を縫合され、普段は厳重に拘束されている。奪われた視覚にかわって聴覚が異常に発達しており、ひとたび戦闘区域に放たれると、音を頼りに敵の位置を探り出し、両腕のカギヅメで徹底的に狩りつくす。
ノビスタドール
プラーガの応用実験によって生み出された昆虫人間。身体を覆う外殻の色を自在に変化させる擬態能力を持ち、周囲の風景に溶け込んで獲物を待ち受ける。ベースは人間ながら、生態は昆虫そのもので、背中に生えた羽で飛び、巨大な巣を作って繁殖まで行う。擬態することができない「出来損ない」も多数存在するが、それらは大きな群れを作って敵に襲い掛かる。
アルマデューラ
古城に飾られていた甲冑が、内部に潜むプラーガによって操られたもの。宿主を求めてさまよう奇生体が中に入り込み、休眠状態で生命維持を図っていたが、獲物の接近を感知して活動を再開した。張り巡らせた触手が擬似的な筋肉となって、あたかも人間が入っているかのように歩き、武器を振り回す。しかしその動作は緩慢で、非常にぎこちない。
ヴェルデューゴ
サラザールが自らの右腕と呼ぶ、冷酷な死刑執行人。昆虫の遺伝子を利用した応用実験の成功形であり、高い戦闘能力を有している。体力も非常に高く、並大抵の攻撃で倒れることはない。優れた筋力と俊敏さに加え、全身を包む外殻は銃弾を弾き返すほど強固。同時に柔軟性にも富んでおり、床下や天井裏などの隙間に入り込み、思いもよらぬ方向から攻撃を加える。弱点は液体窒素。
U-3
プラーガを利用することで人間、爬虫類、昆虫の遺伝子を結合して生み出された生命体。それぞれの生物の特徴が調整されないまま発現した結果、非常にいびつで醜悪な姿となった。左手の触手はムチのようにしなり、目にも止まらぬ速さで獲物を捕らえる。人間部分の脊髄には大型のプラーガが潜んでおり、その大アゴは敵を切り裂くだけでなく、地中を掘り進むことも可能。焼夷手榴弾が弱点。
リヘナラドール
ひとりの人間に対し複数のプラーガを寄生させる実験によって生み出された怪物。実験の結果、たとえ身体の一部が欠損しても瞬時に再生できるほどの異常な代謝能力を獲得した。しかし、人の形はとどめてはいるものの、肉体構造は完全な別物に変化してしまっている。こうした変質は脳にまで及んでおり、人間としての思考能力は全くない。
アイアンメイデン
リヘナラドールにさらなる処置を加えた改良種。驚異的な代謝能力を備え、自在に伸縮できる無数の針を全身に戦闘においては長く伸びる腕で獲物を捕らえて引き寄せ、針が並んだ身体に叩きつけるようにして相手の全身を刺し貫く。そうした姿が16世紀のヨーロッパに実在した拷問具、鉄の処女を連想させることから、この名が与えられた。

治療法

プラーガが孵化する前の卵の状態ならば、薬で除去が可能。プラーガが孵化した場合、薬品でプラーガの成長を抑えられるほか、特殊な放射線を照射することにより、プラーガのみを死滅させられることがわかっている。しかし、それも成体になる前の話であり、成体になったプラーガを死滅させれば、宿主も死ぬことになる。

関連項目