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'''トップレス''' とは、[[女性]]が[[上半身]][[裸]]([[乳房]]、おっぱいを丸出しにする)の状態のことである<ref>[[大辞林]] 第三版より</ref>。本項では、[[男性]]と女性の上半身に関する差の問題を中心に扱う。
 
'''トップレス''' とは、[[女性]]が[[上半身]][[裸]]([[乳房]]、おっぱいを丸出しにする)の状態のことである<ref>[[大辞林]] 第三版より</ref>。本項では、[[男性]]と女性の上半身に関する差の問題を中心に扱う。
  

2019年5月20日 (月) 20:47時点における版

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トップレスの女性
トップレスの女性
トップレスの女性
トップレスの女性
トップレスの女性

トップレス とは、女性上半身乳房、おっぱいを丸出しにする)の状態のことである[1]。本項では、男性と女性の上半身に関する差の問題を中心に扱う。

概要

伝統文化

アフリカ南部や南アメリカなどの文化には、上半身裸で生活することが男性と女性に共通する社会規範であった場所も多く、ナミビアヒンバ族クレタ島の古代ミノア文明などが挙げられる。ナイジェリアなどのアフリカの一部では、上半身裸になることで政府を侮辱する非暴力抗議運動が行われてきた。

西洋文化

西洋文化では、男性が上半身になることは、女性に比べ、一般的な行為である。「を露にした 」、婉曲表現である「まで裸の )」、「シャツを着ない 」などの表現は、男性を言い表す場合に使われることが多い。上半身を「露出する(女性)」と上半身「裸の(男性)」という2つの言葉の間にある大きな違いは、女性の胸(バスト)は性器と見なされるか、少なくとも強く性的な響きを帯びていることである。よって、服装などを規定する地方の法律では、上半身裸になることに関して男女間に差が見られる。西側諸国では、公共の場で自らの胸を露出する女性を好ましくなく、行為に及んだ女性は処罰される場合もある。このような風潮に対して、トップフリー運動は反対を表明する。ヨーロッパ北アメリカでは、胸をむき出した男性に対してサービスの提供を拒む店も多い。そのような店の多くは「シャツを着ていない方、靴を履いていない方、皆、お断り」という方針で営業されている。アメリカでは、家族で楽しむための番組において、一瞬でも、女性の乳首が露出したら抗議にさらされる。スーパーボウルのハーフタイムショーにおいて、ジャネット・ジャクソンが、MTVにおいて人気ポップ歌手マイリー・サイラスが、映画のプレミアでアメリカ女優ジェニファー・ローレンス乳首を露出した出来事がある。反対に「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで知られる俳優オーランド・ブルーム歌手ジャスティン・ビーバープライベート・ゾーンであるおちんちんが写った全画像が世界中で流出した際は軽度なモザイク入りであるものの、人気トークショーの「エレンの部屋」「ザ・レイト・レイト・ショー」で堂々と紹介されることがあり、「ザ・レイト~」では「メリー・ポピンズ リターンズ」のリン=マニュエル・ミランダが公衆の場で披露した男性器おちんちん)が意図的にモザイクで放映された。このように、一般的に男性は寛容であるものの、女性の場合はアクシデントとみなされることが多い。なお、女性器下半身の部分が放映されることは、ほぼない。

上半身の自由

上半身の自由とは、女性が公共の場で上半身裸になる権利を求める運動。公共の場において男性が上半身裸になることが問題視されていないのだから、それと同等の権利を女性が獲得することを目指す。例としては、ビーチプール公園などが挙げられる。運動目的としては、子供に母乳を飲ませるとき人目に触れない場を探すことを強制しないこと、プールや海岸などの場所で快適に日光浴を行えるようにすること、男女平等問題などが挙げられる。北アメリカでは、ヨーロッパオーストラリアよりも、上半身の自由運動が盛んに展開され、2005年2月カリフォルニアにおいて、弁護士リナ・ジョンソンは、日光浴のためであれ、子供に母乳を与えるためであれ、公然わいせつ罪で有罪になった女性は、ミーガン法により、強姦罪や子供への性的虐待の罪に問われた者たちと同じく性犯罪者として同列に並べられていることを問題として取り上げた。「トップフリー」という言葉は、否定的な意味合いを帯びている「トップレス」の言い換え語として用いられている。「シャツを着ない権利 」という言葉を好む者もいる。

文化的論争

西洋文化においては、女性の胸は性器プライベートゾーンなのだからわいせつであるとの考え方から、公共の場で女性が上半身裸になることには反感が強い。対照的に、男性の胸部を性的なものとして捉える傾向は少ない。生物学的には乳腺交尾の間に特定の関係性は存在しない。異性愛の男性の多くが女性の胸に性的刺激を感じることに疑いの余地は無く、また他の霊長目における臀部の発達と同じようにして、人類進化と共に女性の胸が第二次性徴として現れてきたと考える動物学者(デズモンド・モリスの名が知られている)も存在する。北アメリカの法廷では、乳腺が性器ではなく、子供を育てるための器官であるとの裁定を下されたこともある。法的に規制されているのは性器の露出であることを考えると、これらの裁定は重要なものであると言える。

運動組織

カナダにはトップフリー平等権協会(Topfree Equal Rights Association=TERA)が存在し、男性が上半身裸である場所において、「胸に何も身に付けない」権利を実践した結果、何らかの法的トラブルに見舞われた女性を援助している。そのサイトによれば、TERAはカナダとアメリカの両国における問題を取り扱っている。TERAは、上半身の自由に関する啓発活動も行っている。さらに、TERAは、女性のトップフリーを禁止する規則を女性差別であると問題視しており、北アメリカの司法制度で見られる上半身の自由に関連する法を改正することを目指している。

米国にはGoTopless.orgが存在し、男性が許可されているように、公共の場で女性がトップレスになる憲法上の権利を持っていると主張している。8月26日に最も近い日曜日がGoTopless Dayとして公共の場でトップレスになる女性の権利のためのデモが実施されている。

一時、人気ポップ歌手マイリー・サイラスが参加したことで話題になった。

「胸(おっぱい)を露にした」という表現

胸を露にしたという言葉は、腰よりも上に何も身に付けないことを意味する。「腰まで裸の 」や「シャツを着ない 」という表現もある。男性異性愛者にとっての女性の胸と同様、男性の胸筋に性的刺激を感じる女性異性愛者が存在するにもかかわらず、男性が上半身裸になることは、女性よりも一般的であるために、「トップ(上半身に身に付ける服)を着ない(トップレス)」という言葉は、女性にのみ使われる。しかし厳密に言えば、両方の行為とも、ほぼ同等の肌の露出を伴った体の一部の露出を意味している。イスラム文化以外の地域の規定において、男性が「胸を露にすること」が問題視されることは少ない。逆に、女性が公共の場で「トップを着ない」ことは、法律で禁止されている。

文化的な態度

有史以来、男性、特に農夫や工夫などの労働者は、胸を露にして働いてきた。特に暖かい気候において、日焼け防止が風通しよりも重要視されるような天候を除けば、普通のことである。しかし、男性が上半身裸でいることに対して、より厳格に対処し、より窮屈な感じるような時代や地域も存在してきた。ビクトリア朝時代、西洋文化の上流社会において、上半身裸であっても、肌を露出するということは非難される行為であった。そのため、人々は肌を隠すように多大なる努力を払った。そのような文化に影響を受けた社会において、態度がより柔軟になってきたのは、20世紀のことであった。このとき再び、上半身をむき出しにすることが許されるようになった。まず、プールやビーチにおいて、男性が上半身裸になることだけが許された(1960年まで、ニューヨークセントラルパークで上半身裸になると罰金が処された)。その後、徐々にそれが許容される範囲が広がった。最近では、ヨーロッパカリブオーストラリアのビーチで、女性が上半身裸でいることは、全く日常的なことである。但し、それはまだ世界的な潮流であるとは言えず、北アメリカのビーチでも、未だ目にする事は少ない。ヨーロッパや北アメリカにおいて、上半身裸の男性に対して反感を覚える人々は残っており、彼(女)らに対して、「シャツを着ていない方、靴を履いていない方、皆、お断り」の方針を打ち出して、サービスの提供することを拒む店もある。比較的寛容な西洋社会において、シャツを着ないで(またはシャツのボタンをはずして)写真に写ることは問題視されていない。男性の肉体を色っぽく展示することは、国際的にも「無害な」行為と考えられている。これは「筋骨隆々の男性のセミヌード写真」という名で呼ばれている。アフリカ南部において、伝統的に男性は腰布型の衣服を身にまとい、上半身で生活している。アジアにおいては、上半身裸の男性/女性のいずれも認められておらず、ビーチであっても厳しく罰せられる可能性がある場所もある。

日本における法的問題

1964年には海外においてもトップレス流行の兆しがあることが知られ[2]、日本においても、7月20日には警察がこれを軽犯罪法第1条20号[3]により取り締まる方針を出した[4]

刑法を専門とする植松正は、この軽犯罪法の規定において乳房の露出が明確に禁じられておらず「その他身体の一部」に含まれるという解釈がなされていることを指摘し、刑法が人を罰する法律であることから「その他」に関する解釈に強い制約がかけられるべきであることと、「けん悪の情を催させるような仕方で」や「みだりに」という露出のありかたに対する規定が論理で割り切れるものでなく文化的なものであるとしている[5]

脚注

  1. 大辞林 第三版より
  2. 朝日新聞海外トピックス、1964年7月16日
  3. 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者を拘留又は科料に処する。
  4. 朝日新聞「青鉛筆」1964年7月21日
  5. 植松正「トップレス水着」『時の法令』506号、(大蔵省印刷局、1964年8月13日)

関連項目

画像

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